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『……アル…』
「…シャーリー……」
最初はシャーリーが居る夢を見ているのかと思った
だが今抱き締めてるのはずっと会いたかった正真正銘のシャーリーだ
彼女の匂い、彼女のぬくもりがこんなにもリアルに感じられる
『…会いたかった……』
彼女からそんなことを言われたら
同じ気持ちだった事に凄く喜びを感じられる
「…シャーリー いつ戻って来たんだ?」
『今日のお昼ぐらいに帰って来たの
アルに会いたくて!』
そんなことを言われたら嬉しすぎて シャーリーを自分の方に寄せて その唇に触れるだけの甘いキスをした
驚いたシャーリーも嬉しそうに笑って受け止めてくれた
目の前にシャーリーがいる
愛して止まなかったシャーリーが
俺は名残惜しいがシャーリーの唇から離れて、離さないように強く抱きしめた
けどここに居るのは俺とシャーリーだけじゃない
「どう言う事だ!アルト!?」
「誰なのよ!?」
「アルト君!?」
「先輩!?」
そう、いきなりの光景に驚きを隠せないミシェル達が次々と質問してくる
そんな様子にきょとんとした様子で俺を見るシャーリーが腕の中に居た
『アル?この人達は…?』
「こいつらは俺の」
「私は銀河の妖精“シェリル・ノーム”よ!」
俺の友達だと言う前にシェリルが自己紹介をした
その言葉に目を見開くシャーリー
『……あの“シェリル・ノーム”!?』
シャーリーの言葉にそうよ!と自信満々に答えるシェリル
絶対にわかってて言ってんだろうと思いながらシャーリーを見ていた
『…もしかして貴女は超時空シンデレラの“ランカ・リー”さんですか?』
「え…?あ…はい」
シャーリーの言葉に少し照れながら答えるランカ
その様子を見て凄い!と驚くシャーリー
でもシャーリーはあの名の知られた“ウミ”
今はニット帽を被っているからわからないが、シェリルとランカの先輩
シェリルとランカの事を知らない訳がない
『アルはどういう繋がりでシェリルさんとランカちゃんと友達になったのかが不思議で仕方ないわ』
その言葉に後でいろいろ聞いて来るだろうなと思いながら苦笑した
そしてシェリル達の方を見てニコッと笑いながらシャーリーが自己紹介をした
『私はアルの幼馴染みのシャーリー・クロアって言います!
よろしくお願いします!』
「初めまして シャーリー嬢、俺の名はミハエル・ブラン
早速だけど、アルト姫との関係は?」
『アルは恋人です!』
にこにこと嬉しそうに答えるシャーリーは可愛いが俺に対するミシェル達の空気がヤバい
「アルト!お前 恋人居ないって言ってたじゃねーか!」
「幼馴染みも居ないって!」
「どう言う事よ!アルト!」
予想は的中し、ミシェル達からの質問責め
そんなミシェル達にシャーリーがあの!と声をかけた
『私が言わないでって言ったの
私の家庭でいろいろあったから』
シャーリーの言葉にミシェル達がなるほどと納得する
俺は助かり 軽く安堵の息を吐いた
するとシャーリーが乗っていた車の運転席から金髪の髪に赤い目の眼鏡をかけた女の人が降りてきた
「シャーリー」
『お母さん!』
お母さん…?
シャーリーの両親は亡くなっている
じゃあ誰なのかと考え ある人物を思い浮かべた
アルが誰なのか気付いたみたいでとりあえず合わせてってアイコンタクトした
「久しぶりね!アルト君!」
「おばさんじゃないですか!ご無沙汰です」
そう言ってハグする二人は気付かれないように小さな声で私のマネージャーって事を伝えたみたい
『こっちは私の母のアイリス・クロア
多分、シェリルさんとランカちゃんは仕事場で見ると思うよ!』
「どうしてですか?」
ランカちゃんの言葉にシェリルさんも同じ意見らしく 二人は私を見た
そして私はニコッと微笑みながら答えた
『だって、私のお母さんはあの“ウミ”のマネージャーなんだよ!』
あれから私とアルはアイリスの運転する車に乗っている
あの後 皆はアイリスが“ウミ”のマネージャーである事と銀河の女神“ウミ”がフロンティアに戻ってきた事に驚きを見せていた
それからアイリスがシェリルさん達に久々の再会だからと言って アルを車に乗せたのだ
実際はアイリスもアルも初めて会う
「改めて初めまして、早乙女アルトです
よくシャーリーから貴女の事を聞いています」
バックミラーから自己紹介をしたアルの姿をチラッと見たアイリス
「貴方の事はシャーリーから聞いてるわ
惚気話だけどね」
フッと微笑むアイリスに少し照れるアル
そんな2人の様子を見て私は隣でふふっと笑っていた
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