マクロスF 長編 | ナノ

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あれからシャーリー達はミシェルとペアルックの水着を着た撮影は無事終了した
だが俺の心は無事ではない
ミシェルがシャーリーと撮影の時、俺が見ているのをわかって必要以上にくっ付いてた事は違いない
あの時のミシェルの顔は絶対そうだ、そうに決まってる

「次のスタンバイお願いしまーす!」

スタッフの言葉に俺は撮影の方に集中した
初めてのモデルに少し緊張する
歌舞伎とモデルとはかなり違うからな
何かを言わないといけない訳じゃないから落ち着いてたらいいのはわかっている
それにシャーリーに迷惑かけたくないし
今から撮影するのはシェリルとだけどな

「アルト!どう?」

「いいんじゃないか?」

俺が選んだ赤いビキニを着たシェリルが俺に感想を聞いてきたから思った事を返事した
確かに似合っている
まぁ、そんなこんなで撮影が始まった
シェリルが俺の手を握って軽く走り出す
俺は引っ張られるがままだったが、何とかシェリルに合わせる
そんな俺達をカメラマンが何度もシャッターを押す
その後は腕を組まれたり、向かい合ったかと思えば抱き着かれたり…
確かテーマが決められて 告白とかだったから撮影の為だろうと思って拒まなかった
シャーリーが寂しそうな顔で見ていたとは知らずに










「次の撮影始めまーす!」

スタッフさんの声と同時にランカちゃんとアルの撮影が始まった
ランカちゃんの前に撮影していたシェリルさんは自分の水着に着替えに行っていて今は居ない
私はさっきのアルとシェリルさんの撮影風景を思い出していた
アルに選んでもらった水着を着て、夕陽に照らされる海辺を走ったり腕を組んだりしている様子が本当の恋人同士に見える
撮影なのはわかっているのに
幸せそうに笑うシェリルさんの顔を見て 私の心は締め付けられる感じがした
それはシェリルさんの時だけじゃない
今 撮影しているランカちゃんにも言えること
薄いピンクのビキニを着てアルの隣を歩くランカちゃんも、また幸せそうに笑っている
また……心が締め付けられているみたい

「どうしたのよ、そんな顔して」

私は後ろから聞こえたその声に反応して、聞こえた方を向けば そこには自分の水着に着替えて上からTシャツを着たシェリルさんだった

「体調でも悪いの?」

『そんな事ないわよ、心配してくれてありがとう』

シェリルさんに“ウミ”で答えれば ならよかった と言って私の隣にシェリルさんは座った

「撮影が終わった後、私達だけで打ち上げをしようって話だけど参加するでしょ?」

もちろん、スタッフ抜きよ ってウィンクしながら言うシェリルさん
でもこの撮影は2日間に渡ってする予定
次の日も仕事があるから途中までは参加する と言えば、そりゃそうよね と予想外の言葉に驚いた
そして私の耳元で静かに囁くように話す

「アルトとあんまり過ごせてないんじゃないの?
“ウミ”が久々に戻ってきたって事で仕事が多いんじゃない?」

ちょっとでも過ごす時間はあるの? っと心配してくれるシェリルさんの顔を驚きながら見るものの、ふふっと微笑んでシェリルさんの耳元で今度は私が囁くように話した

『確かに仕事が多いけど、空いた時間は電話やメールしてるし 休みの日は会うようにしてるから大丈夫だよ』

心配してくれてありがとう って言って私がウィンクをすれば、今度はシェリルさんが驚いた様子を見せ シェリルさんもまた微笑んだ

「次のスタンバイお願いしまーす!」

スタッフさんの言葉にランカちゃんと撮影が終わったのだとわかり、私は水着に着替えようと更衣室に向かおうとした

「“ウミ”!」

呼ばれた声に驚いて見れば、軽く走って私の元にアルが来た

「あの…さ…」

ちょっと言いにくそうなアル
ほんのり頬が紅くなっているような気もするし
すると私に近付いて耳元で何かを囁くアルの言葉に、私は自分の頬が熱くなっていくのがわかった
そして彼の言った水着に着替えた









 

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