マクロスF 長編 | ナノ

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俺は昔の事を思い出した
シャーリーの両親は仕事が忙しいとかで、シャーリーの両親はよく俺の家にシャーリーを預けていた
俺の親父とシャーリーの親父さんが先輩後輩の仲らしい
たまにシャーリーのお袋さんの親友のアイリスの家に泊まってた事もあったらしいが俺はアイリスを話でしか聞いた事はなかった
だから俺はシャーリーと久しぶりに会った時に初めてアイリスに会った
両親の仕事の都合上 よく預けられていたシャーリーだが遅い時間でも一緒に迎えに来るシャーリーの両親を見てシャーリーの事を大事にしていたのはわかってた
でもそんなある日、何かがあるのをわかっていたかのようにシャーリーが一日中ずっと玄関をただじっと見ていた事があった
その頃の俺は幼すぎて遊ぼーなんて言ってたな
でもシャーリーはずっと玄関を見ていた
そしてその日に



シャーリーの両親は帰らぬ人になったんだ



それからシャーリーはアイリスに引き取られる事になったが、昔と変わらずシャーリーはよく遊びに来て泊まったりもよくしてた
ただ変わったとすれば、雨の日は必ず俺のところに来るようになったことだろう
シャーリーの両親が亡くなった直後に土砂降りの雨が降り出したことは覚えている
今でもあの時の記憶が蘇るのか、シャーリーが他の船団に行って離れていた時も雨が降っている時は必ず電話をかけて来ていた
携帯の向こうから聞こえてくるシャーリーの鼻をすする音
その度にどうして側に居てやれないのかと思った事は何回もあった
そんなある日 俺がS.M.Sに入隊して数日経った時にシャーリーが全てを話してくれた
シャーリーの両親がS.M.Sのパイロットだったこと、シャーリーの両親は戦死だったが事故死とされていることも全て
悲しい想いをしているのに俺に言ってくれたシャーリーが嬉しかった
だから俺もS.M.Sに入った事、入隊した理由や経緯を話した

「アルト!時間だ、行くぞ」

ミシェルの言葉に我に戻った
あれから俺達は訓練の時間になってシャーリーと別れてから1時間が経とうとしている
次はシュミレーターを使った訓練のため 移動しなければならなかった
そういえば、シャーリーはどうしてここに来たんだ?
そんな事を考えながらミシェルとルカと移動した










「アイツがS.M.Sのパイロットなのは知ってるんだな?」

『…アルから聞いた
それに私のお父さんとお母さんの事も知ってる』

「…そうか」

ここにはオズマと私しか居ない
アル達が訓練で席を外してから私とオズマは移動し、オズマの部屋で私は話している
久しぶりに戻って来たから話したかった
オズマは私のお兄ちゃんみたいな人だから

「…辛かっただろ
まさか自分の彼氏がパイロットになってたなんて」

オズマの言葉に私は何も答えなかった
辛くないわけがない
でも私がそう思っていることもオズマはわかっている
私はゆっくり話し始めた

『でもね…アルは昔から空が大好きで 一番空に近付けるものがパイロットだった事もわかってる
……どんな理由で彼の大好きな空を飛んでいても、帰って来てくれるならそれでいい』

「…そうだな」

私の言葉にオズマは頷いた
S.M.Sでは戦死した人物の話を民間人や親族に話していけない事になっている
でもオズマは両親が死んでからアイリスに引き取られた私を探し出して、両親の最後を教えてくれた
彼は両親と共に戦いに出て 両親の最後を見た人物
オズマが両親の話をしてくれた時、お父さんの親友だった彼は助けれなかったと謝罪の言葉を言った事を私は一生忘れない
凄く悔しそうにしていて、凄く悲しんでいたから

『オズマ…お願いがあるの』

私は出してくれたコーヒーのカップを持ちながらオズマに言った
オズマはなんだ?と言った表情を私に見せる

『…生きて帰ってきて』

私の言葉に一度目を伏せたオズマだったけど、ニカッと笑ってみせた

「心配するな、俺が必ず命に代えてでも守るさ」

『それじゃ駄目なの!』

私の少し張り上げた声にオズマは目を見開いた
私は顔を伏せて震える自分の体を抑えようとした
すると頭に優しい手が置かれた
それがオズマの手だとすぐわかった
そして私はお父さんに頭を撫でてもらった時の事を思い出し 静かに泣いた





本当は行かせたくないし、空にも飛ばせたくない



貴方も遠いところへ行ってしまうかも知れないと思ってしまうから



でも私が貴方の元を離れないといけなかったあの日



貴方は“待ってる”と、“信じてる”と



その一言が凄く嬉しかったの



だから貴方が絶対に帰って来る事を信じてる






願いはただ一つ
(誰も死なないで)
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編集致しました!
シリアスな話ですいませんorz
シャーリーもいろいろ複雑な想いなんですよ〜
気分を変えて次回は“ウミ”のライブに行きましょう!!


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