弱虫ペダル 長編 | ナノ
変態真波対策本部 (1 / 3)






───譜久村遥目線───

今日の授業も終わり、昨日 梨央が作ったデータを元に部室で部活前のミーティングが終わったとこ
梨央がわかりやすくデータをまとめたのもあって、練習メニューを少し変えていく話になり 部活の準備を始めるつもりやったんやけど…

「神代、譜久村、美波、お前達に話がある」

3人で寿一くんに呼ばれた
周りも なんやろ? って興味を示してる

『どないしたん?』

「大した事ではない、部活の間 荷物を入れたり必要なものを入れておくのにロッカーがあると便利だろう
それぞれ空いているロッカーを1つ使え」

「それは助かるわ」

寿一くんの言葉に梨央が返事を返した
どこのロッカーにしよ〜

「梨央ちゃん!俺の隣が空いているぞ!」

「今日の朝 フクちゃんからさっきの話聞いて片付けてたじゃねェーかヨ」

「荒北!その事は言うなと言ったではないか!」

荒北と東堂のやり取りに、東堂はほんまに梨央が好きなんやと思ったんは言うまでもないな
そんな梨央は…

「東堂の隣?
まぁ別にいいわよ、ロッカーならどこでもいいから」

そう言いながら東堂の隣のロッカーに荷物を置いてく梨央
その隣では喜んでる東堂
うん、一方通行なんは言わんとこか

「わたしはここにしようかな〜」

『じゃあうちはここにするわ!』

ゆいもうちもロッカーを決め、ロッカーに荷物を置いてく
あ、これからは予備のお菓子入れよ!

「福富くん、ロッカーに鍵をかけることはできないの?」

「それぞれのロッカーに南京錠を付けれるようにはなっているが」

梨央は寿一くんから好きな数字を入れるダイヤル式南京錠を受け取って、ちゃちゃっと設定していく

「鍵をかけてしまうのか!?」

「えぇ、一応」

東堂の言葉にそう返した梨央は荷物を全てロッカーに入れて扉を閉め、ダイヤル式南京錠をかけた

「鍵の数字、“1225”だから」

覚えていてね っていう梨央に皆固まった
いやいやいや!

『鍵の数字言うたら意味ないやん!!』

「だって、忘れたら困るじゃない」

「だからって言うものでもないと思うよ?
それに鍵の数字を言うなら、鍵いらないんじゃないかな?」

「用心はするべきでしょ?」

抜けてる梨央に皆が苦笑した
あ、でも喜んでるのも居るわ

「梨央ちゃん 俺に任せてくれ!
絶対に忘れはしないからな!」

「頼もしいわね」

「どー考えても変だろォが!」

2人のやり取りがおかしすぎて思わず荒北が口を挟んだけど、梨央は相変わらずでそのまま部活が始まった



『お腹すいた〜』

部活終わって片付けの最中やねんけど、うちのお腹は悲鳴をあげていた
選手はもちろんやけど、マネージャーもめっちゃ動くし重労働やからすぐお腹空いてまう

「ならこのまま食べに行く?」

「行こー!」

明日は合宿で使うとこの下見とかで部活が珍しく休みな事もあるから、梨央とゆいの言葉にうちも頷く
そん時、誰かがうちの肩に手を置いたから振り返った

「これから皆で飯に行くのかい?」

『隼人くん…!』

振り返ったらパワーバーを食べながら汗を拭いてる隼人くんやった

『そ そやで!』

「俺達も行くつもりだったんだ、一緒にどうだい?」

『…ええぇ!?』

隼人くんの笑顔付きお誘いにうちはノックアウト寸前

「梨央ちゃん達も行くのか!
なら共に行こう!なあ、荒北!」

「アァ?飯が食えりゃいーンだヨ」

「なら決まりだな!」

ノックアウト寸前のうちは放ったらかしで話が進んでいき、行けるメンバーでファミレスに向かった



「なんで荒北の隣なのー
梨央と遥の間に座りたかったのにー」

「俺だって好き好んでテメーの隣に座るかヨ!」

「………なんで奥の席に追いやられた挙げ句、東堂の隣なのよ」

「良いではないか!俺は梨央ちゃんと座りたかったのだからな!
ワッハッハッハッ!」

「新開!東堂と席変わって!」

『あんたらうるさいねん!!』

「……あっはは」

ファミレスに着いて席に座るなり騒がしいねん!
あれからファミレスに来たんはうちと梨央とゆい、それから隼人くんと東堂と荒北の6人
寿一くんは明日の下見であかんくて、塔一郎くんは課題を終わらせるから無理で、真波くんは家が遠いから
んで、6人になった訳やけど…

「梨央ちゃんは俺と隣で嬉しくはないのか!?」

「えぇ」

「新開!!梨央ちゃんがああ!!」

「じ 尽八…、神代さんも本心じゃないだろうし……」

「荒北 近いから離れて!」

「テメーがもっと窓際にいけばいいだろォが!」

「これ以上いけないってば!」

『静かにしーや!!!』

騒がしくてしゃーない…、うちは静かにため息を吐いた

『ここ、うちのバイト先やから騒がしいんは困んねん…』

「え?そうなのかい?
ここはよく、寿一と尽八と靖友と来るんだ」

『え、そうなん!?』

うわー、次 バイト入った時に鉢合わせしたらどないしよー!!
絶対照れて接客できひん!隼人くん限定やけど!

「とりあえず注文しましょう」

梨央がそう言いながらメニュー表を皆に渡していく
そしてうちと隼人くんにはメニューを1つずつ、荒北とゆいで1つ、梨央と東堂で1つとメニューが渡される

「遥は凄い食べるから、遥用ね」

「新開もたくさん食べるからな!新開用だ!
それよりも梨央ちゃん、このサラダを一緒に食べないかね?最初に野菜を摂取しておいた方が脂が体に吸収されにくくなるからな!」

「なんか東堂の知識が女子みたい、でもそうしようかしら」

東堂の説明に頷きながらも梨央は東堂と一緒に食べる料理を決めていってる
なんやかんやで気が合うんやろな
荒北とゆいは…

「俺、とりあえずドリンクバーでベプシと唐揚げで」

「えー!わたしも唐揚げ食べたいのにー」

「アァ?頼めばいーじゃねェかヨ」

「荒北と一緒ってのがヤダから、荒北唐揚げじゃないの頼んで!」

「アァ!?テメーふざけンな!!」

ものっすごい笑顔で荒北に言うゆいと、めっちゃ嫌そうに言い返す荒北
……この2人は違う意味で気が合うな
そんな時 うちはあるもので悩み始めた

『……どないしよ』

「遥ちゃん 何か悩んでるのかい?」

目の前に座る隼人くんに、メニューを指さしながら見せた

『あんな、パスタをカルボナーラかミートソースで悩んでんねん…』

「カルボナーラなら俺も頼むから、一緒に食べる?」

『た…食べる!じゃあミートソースにしよー!』

そんなこんなで皆の注文が決まったから、知り合いの店員さん呼んで梨央と東堂から注文し始めた

「東堂、私の分も一緒に頼んで」

「了解だ!梨央ちゃん!
魚介のサラダと和食御膳セットを2つ、それからドリンクバーを2つで」

東堂が注文し、次はゆいと荒北の注文

「荒北 お願いね〜」

「ったく、しゃーねーなァ
唐揚げとォ ステーキセットとォ、お前 どっちだっけ?」

「目玉焼きの方だよ!目玉焼き乗せハンバーグのコンポタ付きね!」

「じゃあそれと、ドリンクバー2つでェ」

結局ゆいは自分で注文しとったけど、あえて次行こか
次は隼人くんの注文

「俺はカルボナーラとチョコバナナパフェと、チーズハンバーグセットとチョコレートケーキ バナナアイス添え2つ。
それから野菜ドリアとサラミピザのWチーズでお願いします。
あと、たらスパWサイズとドリンクバーで」

「新開もすごい食べるのね」

「相変わらず頼む順番がめちゃくちゃだなァ、オイ…」

「ならんよ!糖分と脂質とタンパク質が多過ぎるではないか!
ロードレーサーたる者、栄養を考えねばならん!」

「東堂うるさい」

梨央と荒北と東堂に あはは と笑っている隼人くん
…隼人くんもいっぱい食べる人なんやな

「次は遥ちゃんだよ」

隼人くんに言われて頷き、メニューを指差しながら注文した

『えっと…、焼き肉のサラダとミートソースのパスタとタラスパとクリームスパのWサイズやろ
ドリアとマルゲリータ、目玉焼き乗せハンバーグとミックスグリルのライスセットでライスは大盛りで!!
デザートはまた後で!』

「………さすがに女の子でその量は食べきれないのではないのか?」

「遥のいつもの量よ、だから全部食べ切るわ」

「そうだよー」

「新開並みに食い過ぎダロ!!」

隼人くん以外の皆がそんな話をしてんのは気にせず、…めっちゃ見られてる感がある正面の隼人くんを少しだけ見た
やっぱりはにかみながらうちの方を見てる
気の所為とかじゃない、…今 隼人くんと目合ってる

「俺はいっぱい食べる女の子は可愛いと思うよ」

そう言いながらウィンクする隼人くんに うちはノックアウトされた
両手で真っ赤になる顔を隠す
………はぁ、なんであんなかっこいいねん
心臓何個あっても足らんわ………

「おぉ!これはもしかすると!」

「東堂、余計な事言ったら殴るよ」

「遥可愛い遥可愛い遥可愛い!!」

「テメーも黙ってろ」

なんかまた話してるみたいやけど、うちは顔の火照りを沈めるんに必死で何言ってるんか入ってこんかった









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