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「どこか適当に座っていてください」

そうのだめちゃんに言われたものの失礼ながら座る場所はどこにもない
むしろ足場すらない
のだめちゃんの部屋にはゴミ袋やアニメのぬいぐるみや未知の物がたくさんある
1人1台で用意されているピアノの上にまでたくさんの荷物が置かれている
とりあえずミニテーブルがある場所に座る場所を作って座る事にした
同じマンションとは失礼だが思えない

「リーシャちゃんどうぞ〜
インスタントのコーヒーですけど」

ぎゃぼ〜!っと言いながらコーヒーを出してくれたのだめちゃん
かなり変わった子なのだとは認識した
でも悪い子ではないと思う

『ありがとう のだめちゃん
のだめちゃんは何年生なの?』

「のだめは2年生ですよー」

『それじゃあ一つ違いだね』

私の答えに先輩だったんですか!と反応するのだめちゃん
同い年に見られていたのだろうかと思いながらも わからない事があったら何でも聞いてください!と言われ心強いと思った
まぁ 私は年なんて気にしないし

「リーシャちゃんは何の楽器なんですか?」

『私はクラリネットって言う木管楽器よ』

「木管楽器ですか!
のだめはピアノなんですよー」

そう言ってピアノを弾く真似をするのだめちゃん
ピアノの上は凄いことになってるけど…
でもピアノの腕前の方はどうなのか

『ねぇ のだめちゃん』

「なんですか?」

『のだめちゃんのピアノ、聴いてみたいから何か弾いてほしいな』

その言葉にう〜んと考えて見せ、思い付いたのかパタパタとピアノの蓋を開けてピアノ椅子に座るのだめちゃん
私も立ち上がって楽譜を開く様子を見ていた
そして楽譜に書かれた曲名を見る

『2台のピアノのためのソナタ?』

「そうなんです、今練習している曲なんですよ」

ぎゃぼっと言いながら弾き始めるのだめちゃん
鍵盤を触れるのだめちゃんの手は大きく、難しいパッセージを難なく弾いていく
ピアノにとって最適な手を持っていると思いながら楽譜を見ると二つの異なる文字が書かれていた
一つはのだめちゃんの文字だろう
もう一つは一体誰の文字だろうか
私はもう一つの文字を指差しながら聞くことにした

『のだめちゃん、この文字は誰の文字なの?』

「それは先輩の文字ですよ」

どうやらのだめちゃんと一緒に弾く人はピアノ科の先輩らしい
その先輩はのだめちゃんの部屋の隣で、この後挨拶をしに行こうと思っていた202号室の住人だとか

『これからその先輩に引っ越しの挨拶をしようと思っていたんだけど、今部屋に居るかな?』

「今日は大学で練習するから見てやれないって言われたんです…ぎゃぼっ…」

そう言って両手の人差し指を合わせながら悲しそうにするのだめちゃん
なら後日挨拶しようかな
それからまたいろんな話をして、今度クラリネットを聴かせて欲しいと言われ、吹く約束をしてから一度部屋へと戻り 買い物に行ってまた片付けを再開した





202号室の住人とは一体誰なのだろうと思っていた私は





まさか日本で彼に会うとは思ってもみなかった






201号室の不思議な住人
(千秋先輩、先輩の隣に綺麗で可愛い外国人さんが引っ越してきたんですよ!)
(そうか)
(それに引っ越しの挨拶にお菓子をくれたんです!リーシャちゃんは良い人です)
(………え?)
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やっとLesson1にいきました!
のだめと最初出会ったらこうかな?とか思いながら書きました!
ちょこちょこオリジナルが入りますが、ここまで読んでくださり ありがとうございました!

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