期待の素質、発見(3 / 3)






『お前なんだろ?
海賊狩りの“ロロノア・ゾロ”って』

「やっぱり気付いてたか」

あれから三代鬼徹と亭主が自身の店での最高の刀として良業物“雪走”を貰って店を出たロロノアの後を追って店を出たのだ
だから今 私とロロノアは店の外で話している事になる
たしぎは腰を抜かして座り込んでいるからすぐには来れない

「てめェ、只者じゃねーだろ」

真っ直ぐに私を見るロロノアに さぁ と戯けて見せる

「戯けたところで刃も見ずに妖刀だと見抜くなんて、只者じゃねーよ
…かなりの腕だな?」

ロロノアの言葉に私は軽く微笑んだ
そして弁解する

『腕はまだまだだよ、たしぎよりは腕は上だけどね
もちろん…君よりもね』

私の言葉にロロノアの眉が少しだけ動いた
だが私は事実を話していく

『海賊狩りの“ロロノア・ゾロ”はなかなかの腕だとは聞いている
だけどそれは“ここ”での話、君はまだ赤子のような実力しかない』

「てめェ…!」

私の言葉にロロノアが詰め寄ってくる
だけど私は微笑みながら 最後まで聞け と促す

『今は赤子かもしれない、けれど君の“運”と“素質”とこれからの“経験”に興味が湧いた
…私が何者なのかわかった時、実力の差がどれほど違うかがわかると思う』

そして静かにロロノアの肩に手を置いた

『またいつか会おう、ロロノア』

肩に置いた手を下ろし、背を向けて武器屋へと戻りながら手を軽く振った

「おい、お前の名前は?」

『…“風の子シェリー”よ』

「……はぁ!?」

離れたところでロロノアの驚いた声が聞こえたが、私はおもしろい剣士に出会えた事に嬉しく思いながら人混みに入っていった

「…あいつが“風の子”……」

誰かに言ったわけではないロロノアの呟いた言葉は賑やかな町の音にかき消されてしまったが、ニヤリと嬉しそうな笑みを浮かべながら仲間のいる場所へと向かったとは知らぬまま武器屋へと戻った私は何度目かのため息を吐いた

『…たしぎ まだ立てないの?』

「こ…腰が抜けてしまって…」

申し訳なさそうにしながら笑うたしぎ
まぁ、肝が座ってないとあんな場面を見たら腰が抜けるのは間違いない

「用がないならサッサと帰んな
俺はやらないといけねぇ事があんだからよ」

亭主の言葉に私は軽く返事を返し、たしぎに肩を貸しながら立たせた

「シェリーさん すみません…」

『気にすることないわ、そのうち立てるようになるわよ』

そのまま武器屋を出ようと扉を開ける前に あ と思い出し、亭主を見た

『“悪魔の実”の能力者で表立っているのは“白猟のスモーカー”、もう1人は自由気ままな“風の子シェリー”って言って私の事なの
野郎じゃなくてすまなかったね、それじゃあ』

徐々に青ざめて驚いた顔をした亭主に微笑みかけた私はたしぎとそのまま武器屋を出た





良いものも見れたし、そろそろ戻るとするか





こんな私だが、一応これでも剣士の中では名が知れている方なんでね





期待の素質、発見
(もし怒ってたらどうしようか、スモーカーに飴でも持って帰る?)
(…シェリーさん、余計に怒られそうな気がします)
(冗談よ、じゃあスモーカーの好きな葉巻を持って帰ってあげようか)
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やっとゾロが三代鬼徹と出会う話がかけました!
剣士同士として2人は結構気が合うと思いますね〜

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