…なんだ、あいつ…

なんだあいつ

あっさり装飾品だらけの校門を飛び越えて学園に侵入してきた不審者…もとい王道くんとやらは、高笑いして俺天才とか叫びながら(独り言がいちいちでかいのは王道くんの特徴らしい)、校舎の中に入っていった


…あ、さっくり見逃してしまったがこれってエンカウントするいいチャンスだったんじゃねぇかな

これ白斗に怒られるなぁ…まぁ白斗はガチで怒ることは滅多にないから大丈夫だろうけど

だがエンカウントしろなんて指示俺は受けてないしそもそもアンチ王道の主役やらされんのも不本意なんだ

俺は悪くない








とかいいつつ一応王道くんを追い掛けてる俺は大変いいこだと思う
自分で自分を誉めてやりたい畜生めんどくせぇ

つか今前髪長いから視界狭いんだよカラコンも入れてるから視界狭いんだよ目悪くなったらどーすんだよ
よくわからない理由で…いやよく理解して貰わないと困るが、苛々しつつこっそーり尾行する

王道くんは足音うるさいから俺のが消されてすごく尾行しやすい
あと学校の内装片っ端からすげーだのきれーだの言っててうるさいから行き先もわかりやすい
てか職員室過ぎたぞあいつ大丈夫か

「…輪…?」

喧しくない声が聞こえた、王道くんを挟んで俺が隠れてる逆側を見ると副生徒会長が立ってた
写真でしか見たこと無かったが、まぁ美形だな
金髪のボブに灰色の目、ハーフか
冊子曰く腹黒美形敬語男子
爽とキャラかぶってんじゃん

爽のが作り笑い上手そうだなぁってのは今副会長の作り笑い見て思ったこと
貼り付けたみたいな笑いだなぁ
王道では王道くんがこの笑い方を気持ち悪いだかなんだか言って惚れさせるらしい、どMかとつっこみたい

「あれ、ユーリじゃん!!」

…まぁ俺のとこでは知り合いらしいが
王道から外れてるがいいのか

副会長は王道くんを見て驚いたような顔をしたあと、嬉しそうに笑って王道くんに近付いた
なついた犬みたいだな

「お待ちしてましたよ、お父上はどうなされたので?」

「ははっ、俺が泣いて頼んだらさらっと解放してくれたよ!!全く心配性だよなー、いくら俺が可愛いからってさ!!」

なんかよくわからん話だなー
いよいよめんどくさくなってきた

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