綺麗な薄い金色のふわふわとした髪にくりくりした同系色の目、高校生…というか人間とは思えないそいつは俺の族時代に知り合った仲間で、前言ったモノクロの元幹部だ

「うわ、天使だ」
「おー、目の保養だー」

横からぼけーっとしたマッチョの声が聞こえたので一先ず離れておくことにする
距離をとるな、とは冊子には書いてなかったしな…多分

「もぉ、僕の許可無しでこんなことしちゃあ駄目って何度言ったらわかるのォ?君らはお馬鹿さんなの?」

むくれる薫を見てテンションあげてるマッチョ…おえっ気持ち悪…

「す、すみません薫様!!」
「次からは必ず報告致します!!」

焦って謝るチワワ達
…薫ってそういや全ての親衛隊を仕切る親衛隊隊長になったとか冊子に書いてたなぁ…まぁこいつ強いしなぁ…俺より

「許可を得てないからこれ以上はもう駄目ェ、ほら風紀に見付かる前に帰りなよォ?」

薫の言葉に慌てて頷き走って帰るチワワ達
マッチョは帰らずその場に残る

…なんでだ

不思議そうにマッチョを見る薫にマッチョ達三人組はにたぁ、と気持ち悪く笑った

「天使様よぉ、俺ら折角呼ばれたのに結局なんにも出来ねぇでぶっちゃけ苛々してんだよなぁ」

「だからよぉ、天使様、」

「体で俺らを癒してくれよ!!」

仲良く気持ち悪い台詞言って薫に襲い掛かるマッチョを見て薫はめんどくさそうな顔になると、「僕の噂聞いてないわけぇ?」と言って、片っ端からマッチョを殴り飛ばしていった

あの小さい体のどこからあんな力が出るのかはモノクロ七不思議の一つだったりする

「これって正当防衛だからぁ、許してねぇ?」

あははっと可愛く笑いながら倒れた奴等の顔面を蹴り飛ばす薫を暫く眺め、そういやこいつ人殴ったりするの大好きなんだったっけなぁとか考えた
学園じゃキャラ作ってんのか

一通りすでに意識を失ってる予想以上に弱かったマッチョを痛め付けたあと、薫は思い出したように俺を見て、

「ひっさしぶりーい!!眞、元気だったぁ?」

と言って思いっきり抱き付いてきた

一瞬久しぶりなスキンシップに体が硬直するが、相手が薫だからか直ぐに回復したので自分より低い位置にある頭を撫で、薫と再会を喜んだ

「あぁ、元気かと言えば元気だ、薫も相変わらずで良かった」

「それってどういう意味ィ?まぁいいやぁ、眞が来てくれてよかったぁ」

真ん丸な目を輝かせて喜ぶ薫に俺もだ、と返しながら、そういえば、と思った疑問を口にする

「天使ってお前のことか?」

「そぉだよォ?ほら僕ってば可愛いからさ、何もしなくても信者できていっちゃうんだぁ」

美人は得だな…

俺がなんとも言えない気分で眺めていると、薫は俺をみて

「眞って今平凡やってるんだよねぇ?なら僕と長い時間居たら駄目なんじゃない?」

…あ、そういえばそんな感じのが冊子にあったなぁ

「でも那嘉と一緒に行動してた時点でそれは守れてねぇんじゃ」

「那嘉はセーフじゃないの?というか那嘉に加えて僕もってのが駄目なんだと思うよォ」

「そっか…残念だな」

「せっかく会えたのにねぇ…でもまぁまた会えるよ、絶対」

まぁ同じ学園にいたら会う確率はなくはないな、俺が笑えば薫も凄く綺麗に笑った

見慣れてる筈なのに見とれてしまうのはやっばり薫がそこらの女より可愛いからで、天使と言われるのも納得できる気がする

名残惜し気に振り返りつつ立ち去っていく薫に俺も寂しいが手を振り、俺は部屋に帰ることにした

[ 15/18 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



戻る





「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -