私の小さな手で出来ることと言えば団子を捏ねるくらいのものだ。なのに同じくらいの大きさの彼の手は人を殺めることが出来る。私はそれを悲しいことだと思ったのだけど、自慢気にその日の戦を話す彼を見てそれは違ったのだと気付いた。

蘭丸はな、

彼は自分のことを蘭丸と言う。可愛らしくて笑ったら真っ赤になって怒られたのでもう笑わないことにしよう。そう決めて全く笑わなくしていたら今度はそれに対しても怒られた。彼は不思議な人だ。

信長様は、

彼は自分のこと以上に信長様のことを話す。信長様とはここを治めている殿様、織田信長のことだろう。楽市楽座などの令を作って下さった。商業が発展したのは信長様のお陰である。私も尊敬しているが彼の思いには負けるだろう。

蘭丸は光秀って奴が、

彼にはとても嫌いな人がいるそうだ。名を、明智光秀。事有るごとにつっかかってくるらしく、光秀の話をしているときの彼は本当に嫌そうな顔をしていた。だから私も光秀のことを嫌いになることにした。

なあ、

御手洗団子とお茶を持って彼の隣に座る。

お前のこと、教えろよ。

私が話せることと言えば団子の捏ね方くらいなのだけど。


/きみのて


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