※丸井が可哀相なだけの話
※下ネタ含みます
もうね、こいつらダメだ。
俺が長男とか先輩とかそういうことじゃなくて、これは見てらんねぇ。普段ならこういう面倒そうなことはジャッカルに任せるがそうもいかない。俺は可愛い後輩のために動くぜ。
「おいお前ら」
「何?ブンちゃん」
「何すか先輩」
四つの瞳が俺に向けられた。しかし赤也の手が止まることはない。馬鹿が!馬鹿!
「ここがどこだか分かってるか?」
「図書館だよね、赤也」
「そっすよ」
「何しようとしてんの」
「何って…」
「セ」
公共の場ぁあああ!!!何も考えずアホ面でその単語を言おうとした赤也の頭を殴る。頭の中までワカメか。
「いってぇー!何するんですか!」
「赤也大丈夫?」
「っす…」
赤也を抱き起こすとそのままいちゃつき始める馬鹿二人。この感情は羨ましいなんかじゃない。純粋な苛立ちと殺意だよ。
「家でやれぃ」
「あっじゃあ丸井先輩も彼女呼べばいいんじゃないっすか?」
「それいいね!四人ですればいいんじゃないかな」
「お前ら日本語分かる?英語希望?Go to homeってことだよこのやろう」
「すいません日本語で言ってもらっていっすか?」
「日本語も通じねぇくせに!」
なんでお前らがこいつ意味わかんないみたいな顔してんだよ!めちゃくちゃ腹立つ。眉をひそめるな。
「ん?ブンちゃん何しとるんじゃ」
「に、仁王ー!」
もうそろそろ天才完璧丸井ブン太さんでも血管破裂するっちゅーねんって感じのときに救いの詐欺師が現れた。救いと詐欺師って合わさる言葉じゃないけど今はテトリスの長いバーが右端の隙間に落ちてきたときくらいにぴったりだ。
「こんにちわっす」
「仁王くんが図書館って珍しいね」
「ちょっとな。それより何でブンちゃんは泣きそうなんじゃ?」
「お前が天使に見えるぜ…」
思わず仁王の手を握り、事のいきさつを話そうとした俺は見てしまった。仁王の後ろから最近出来たと自慢していた小さな彼女が歩いてくるのを。
「………仁王、まさか」
「どうしたんじゃ」
「お前ら何しに来たんだ?」
「何って…ナニしに?」
「日本オワタァアアア」
『3階エレベーターホール前の赤い髪のお客様、館内ではお静かにお願いします』
「注意されちゃいましたね」
「ブンちゃんうるさいよ」
「ほんまじゃ」
何?俺が間違ってんの?えっ