三雲に依存気味な男主が欲しい迅さん
救われない
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胃が重苦しくて、思わず息を吐く。



どうしてもプレッシャーに弱い自分だから、こうして待っているだけでも息苦しくて仕方がない。
それ以上に待っていたいと思うのは、その待っている人物に少なからずプラスの感情を抱いているからだ。
もっと頑張ろう、と冷たい手を握りしめると遠くから足音が聞こえてきたのでぱっと顔を上げる。


「み、三雲!」
「美咲!悪い、ちょっと時間がかかった」

急いで走ってきたのだろう。サラサラな黒髪がはねて、息切れを起こしている。
目的の人物が現れたことで安堵をし、彼の言葉を俺はふるふると首を振る。

「そ、そんなことは無い!全然っ、平気だ」
「そうか。良かった」

ほっと眉を下げて微笑む三雲にどき、と心臓が鳴る。平常心を保てと強く思い、早く帰ろうと促す。

三雲も素直に頷き、靴箱へと足を踏み入れた。

ロッカーから靴を出す時も、正門から出る時も、繁華街も歩く時も、訓練を一緒にする時もつねに会話は怠らない。

つまらない男だと思われぬよう、必死なのだ。


それほどに俺は三雲のことが好きで、好きだった。

はやく三雲がB級になって、防衛任務が一緒に出来たらと淡い望みを妄想しながらも俺はまた、指の腹を撫でる。





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