※ちっちゃいアツシロ
一緒ならどこまででも行けるよ



「にいちゃん!早く行こうよ!」
「まって、もうちょっとゆっくり行こう!」


風が気持ちいい晴天のある日のこと。しっかり者の兄とやんちゃな弟の双子の兄弟がお母さんに頼まれて初めておつかい出かけています。


「えっと、さいしょは…」
「肉やさんに行くんだろ!あのやさしいおじさんとこの!」
「あっそうだった」


目的地を思い出そうとする兄に弟はすかさずフォローします。実は、兄のほうは少し抜けているところがあるのです。

さて、兄弟はようやくお肉屋さんに到着しました。二人は元気よくお肉屋さんの扉を開け、挨拶をしました。


「こんにちはおじさん!」
「こんにちはー!」
「こんにちは。おや、今日お母さんは?」
「今日はね、ふたりでおつかいだよ!」
「ふたりで行ってきてねってたのまれたの!」
「そうかいそうかい。」


そんな会話をしながらも、お肉の種類と量をお母さんに頼まれた通りに買うことができました。

そしてお肉屋さんのおじさんは微笑みながら、お店を出ていく二人を引き留め、一個ずつ飴をくれたのです。二人の大好きないちご味の飴です。弟はすぐに飴を口の中に入れましたが、兄は家に帰ったら食べようと考え、大事そうにズボンのポケットに入れました。

二人はその後もきちんとおつかいを済ませました。しかし、家に帰る途中弟が走って転んでしまったのです。膝に怪我をしてぐずるのを見た兄は何をしていいのか分からなくなりました。しばらくしてポケットにしまってあった飴を出し、弟にあげたのです。飴を貰ってすっかり立ち直った弟は兄の手を握り、家に帰る道をまた歩き始めました。



(おうちにかえったら、お母さんがぼくたちを泣きながらぎゅってしたけど、なんで泣いてたのかな?)





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2012年4月6日おめでとう!!だいすき!!


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