群青の空に光る星


雪がしんしんと降り積もるクリスマス。吹雪家の台所では、士郎とアツヤが慌ただしく動いていた。

「兄貴ぃ!オーブン空いたか?」
「うん、今ちょうど焼き上がったよ!」
「じゃあ、ラザニア焼くぞー」
「はーい。こっちもブッシュ・ド・ノエルの飾り付けしまーす」
「おーう任せた!」
「任せられた!」

士郎とアツヤはこの後円堂宅で開かれるクリスマスパーティーに持っていくための料理を作っていた。

「あれ、僕、生クリームと板チョコどこに置いたっけ」
「あー?冷蔵庫の一番上にないか?」
「一番上?…あ、あったあった!」
「だろ?」
「うん、ありがとう!」
「へへっ、どーってことねーよ!ところで、時間はあとどれくらいなんだ?」
「んとね〜、40分くらいかな?」
「やっべ!早くクラムチャウダー作んねーと!」

そう言ってアツヤはじゃがいも、玉ねぎ、ベーコン、湯剥きをしたトマトを手早く切った。パーティーに来る人数は多く、もちろん作る量は多くなる。そのため、切る材料の量も多いのだが、その手際の良さは見事、としか言いようがない。全部切り終わったところでベーコンと玉ねぎを深手の鍋に入れて炒める。士郎はチョコを湯せんにかけて木の色の生クリームを作っていた。
二人はその後も着々と料理を作っていく。アツヤの料理が完成に近づいたとき、オーブンの音が軽快に響いた。

「お、焼き上がった!」
「こっちも飾り付け終わったよ!」
「サンキュ!…うおっ、今までにない仕上がりだ!」
「どれどれ…ほんとだ!あとは容器に入れて持ってくだけだよね?」
「ああ、クラムチャウダーもあと少しだ!」
「じゃあ先にやってるね!」
「ラジャ!」

そうして士郎は大きめの箱にブッシュ・ド・ノエルを入れた。クラムチャウダーを作り終えたアツヤも自分が作った料理を容器に詰めた。
詰め終わった二人は出掛ける準備をした。お揃いのダッフルコート、耳当て、手袋、そしてマフラー。防寒対策に抜かりはない。

外に出ると二人を照らすように、星が綺麗に瞬いていた。





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遅くなりましたが、メリークリスマス!アツヤは凄く料理上手なんじゃないかな、ということでこうなりました。士郎ちゃんはお菓子専門です。


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