おうち [ 4/4 ]



『ただいま〜』

「にゃあ」

『今お邪魔しますって言ったの?』

光は首を縦にブンブンと振った。かわいい。


『飲み物持ってくから先いってて』

床に降ろすと迷うことなく私の部屋に向かって行った。

自分の分の紅茶と光には浅いお皿にぬるめのミルクを入れて部屋へと向かうと


『あ』

扉の前で光が座っていた。

「にゃー」

光は私に気がつくと扉をカリカリと引っ掻いて私を見た。

そっか、扉が開けられないのか。


『ごめんね光、おまたせ』

ガチャリと扉を開けるとちょこちょこと入っていき、私も後に続く。
お盆をテーブルに置いて扉を閉めようとしたら光が前足で押して閉めてくれた。


『ホットミルクでいい?』

こぼさないように床にタオルを敷いて上に皿を置くと小走りでやって来てチロチロと飲み始めた。


『おいしい?』

「ニャー」

何て言ってるかわからないけど
光はそのまま飲み続けてあっという間に皿は空っぽになった。


『おかわりいる?』

尋ねると首を横にふるふる振って私の膝の上に飛び乗った。


『…構ってほしいの?』

「にゃ」


引き出しから毛糸を取り出してチラつかせると目で追っている。
やっぱり本能は猫らしい。

『ほらほら』

「……にゃっ」

ぱしっと一発で捕らえてしまった。
ぷにぷにの肉球が毛糸を器用に挟んでいる。


『ちょっと肉球さわらせて』

もう一度膝に乗せて肉球をふにふにする。

『やわらかーい』

「ふにゃあああ」

どうやら光は肉球を触られるのが嫌らしい。しっぽが項垂れてしまった。
でもやめられない

ふにふにふにふにふにふに

「ふにゅあああ」

『ごめんごめん』


お詫びに喉を撫でると気持ち良さそうにグルグル鳴いたら。


『気持ちいい?』

「にー」

そのまま撫で続けるとうとうとし始め、ついには眠ってしまった。


『どうしようかな…』

とりあえずソファーに寝かせてあげよう。
光は寒がりだからブランケットをかけてあげなきゃ。

それにしてもどうしようか。


『ご飯作るか。』

親は帰りが遅いのでご飯は自分で作らないと。

でもよかった。
もし親にバレたら面倒だ。
動物大好き家族だから光に構いまくって光が嫌がるのが目に見えている。



『あ、キャットフードのがいいのかな?』



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