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私は首だけ後ろに向け、比呂士の次の台詞を待った。
嫌な予感が当たりませんようにと祈りながら。

だが、やはり当たってしまうもので


「仁王君がいつまで経ってもヘタレでは困ります。

なのでぜんざい、あなたには協力していただきます。」


…やっぱり

「ぜんざいは仁王君の苦手なタイプではありませんし
私もぜんざいなら安心できます。」

「い、いやじゃ!!」

仁王君、私も傷つくんだけど…
まあ私も嫌だけどさ。


『私も仁王君と初対面だし、遠慮すr「へぇ、面白そうなことしてるね」


私の台詞を遮るようにして聞こえた第三者の声。

少し高めのその声がする方を見ると


「ゆ、幸村…」

「やあ。」


あの神の子と言われる
テニス部部長の幸村精市君でした。

幸村君はこちらに近づいてきて
私の方を向いた。


「確か、しらたまさんだよね、柳生の幼馴染みの。」

『は、はい。』


うわーキレイな人だなぁ…笑顔もキレイだし。
天使ってカンジ。


「俺も困ってたんだよね。
試合もギャラリーの女子の数によって仁王の調子が変わるし

勝つにつれてギャラリーは増えるのに。


そんなので全国制覇できると思ってるの?」

あれ…天使…


「うぅ…でも…」

「だから音園さん」

『は、はいっ!!』

「仁王のことよろしくね。」

『え、』

「よろしくね」

『嫌でs「え?」頑張りまーす』

「よし。
仁王もいいよね」

「え「まあ、答えは聞いてないけど。
あ、花壇に水やりにいかないと。
それじゃ」


幸村君はそれだけ言って戻ってしまった。


今なら言える

彼は天使なんかじゃない
大魔王だ。



「では私も戻ります。
お二人も昼休みが終わるまでには帰って来てくださいね。

二人で」


比呂士も爆弾を落として戻っていった。

アイツ紳士じゃなくね?


『…』

「…」

き、気まずい…


『に、仁王君…』

ビクッ
「な、なんじゃ…?」

めっちゃ警戒されてるし…
こんなので大丈夫だろうか


『か、帰ろっか』

「…おん」


それから私達は一緒に
(といっても階段や廊下は端と端を歩いた)
教室まで歩いていった。


仁王君とは同じクラスで
席はそこそこ離れている。

ガラガラ

教室に入り、席に戻ると
私の席がなくなっていた。
え、どうしてこうなった





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