2つの翼 [ 1/4 ]
「欲しいもの?うーん…
翼かなっ」
そう言われたのが6日前、
そして明日は彼の誕生日。
『どうしよー』
「俺に聞くなや」
『だって長い間ダブルスやってたんでしょー?
何とかしてよ氷の天才(笑)』
「(笑)って何や!!
うーん…翼言われてもなぁ…」
『役立たずめ(ボソッ
あっ、日吉だ!ひーよしー』
「…何ですか」
『かくかくしかじかなんだけど…』
「いやいや俺でもわからんかったんやで?
組んで日の浅い日吉にわかるわけないやろ」
「そういえばこの間お気に入りの羽根のペンダントが壊れたっていってましたよ」
『ナイス日吉!!岳人の真のダブルスペアは君だよ!!!
いやー、忍足なんかじゃなくて最初から日吉に聞いとけばよかった
これからも岳人をよろしくね』
「…ひどない?」
「フッ」
私はダッシュでお店を回り(授業?エッナンノコトカナー)
片翼のシンプルなペンダントを買った。
そんなこんなで翌日
部活の後、岳人を私の家に呼び出してパーティーをした。
一緒にご飯を食べてケーキを食べて
そしていよいよプレゼントを渡すとき
『あのね、プレゼントがあるの』
「マジか!!サンキュー」
箱を取りだしながら、着けてくれるかな…と首元を見ると
私が買ったのと同じペンダントが…
『それ、どうしたの?』
「ん?ああ、前のが壊れたから買ったんだよ」
そ、そんな…
日吉のバカ←
「で、プレゼントってコレ?」
『あっ…』
いつの間にか岳人の手にはプレゼントが
「何かなーって、え?」
ラッピングをほどいて固まる岳人
『あのね、日吉に聞いて…ごめんね
2つも同じの持っててもいらないよね』
しゅんとしてると、岳人に後ろから抱き締められた
そして首に違和感。
見るとさっきまで岳人の首元にあったペンダントが
『え…コレ…』
「俺のをエンペラーが着けて、こっちのプレゼントのを俺が着ければいいじゃん?」
『いいの…?』
「当たり前だろ?
翼は2つないと飛べないんだぜ?
だから、俺とエンペラーは2人で1つ、な?」
俺にも着けて、とペンダントを渡され、
身体を回転させて首に手を回し、ペンダントを着ける。
『ん…できた…きゃっ』
そのまま岳人にギューっと抱き締められた。
「エンペラー、好きだぜ?」
『私も、好きだよ
お誕生日おめでとう、岳人』
Happy Birthday 向日 岳人
2012.9.12
[*prev] [next#]