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『えーっと…お、ラッキー』

私が引いたのは窓際の一番後ろの窓際。
別名、青春席(と私は呼んでる)

『紅亜ー何番?』

「ぜんざいの斜め前…みたいやね」

『ほんと!?やったぁ!!』

神様ありがとう!!


ガタッ

『ん?君が隣か、よろし…く』

前言撤回。神様のバカヤロー

「…おん」

隣に座ったのはあの無口で冷酷と噂の財前君でした。

あんま知らないけど確かあのテニス部の2年生唯一のレギュラーらしい。
テニス部はお笑い集団なのになんで入ったんだろ…

「なぁ、」

『な、何かな財前君』

「いや、どっかで聞いたことある声やなと思て」

何を言ってるんだこの人は?
第一財前君と話したことないし席もずっと遠かったし…
ハッ、まさか

『新手の…ナンパですか』

「なんでやねん」

『お、おぅ…財前君もツッコむんだ…』

「何やお前、おもろい奴やな」

!!?
あの…無口で冷酷で血も涙もないと言われる財前君が笑ってらっしゃる…やっぱイケメンだな…

「…何やねん、人の顔見て」

『いや、財前君が笑ってたから…』

「は?意味わからん」

わわ…今度は眉間に皺が…
『ご、ごめん…』

「別にお前が謝ることちゃうやろ」

更に皺が深くなってるぅぅぅ
紅亜助けて!!

『く、紅亜ぁ―』

「どうしたん?あ、隣財前だったんや」

『う、うん…』

紅亜は私の言いたい事がわかったのか「よしよし」といいながら頭を撫でてくれた。

『紅亜だいすきー』

「可愛えなぁ…」

可愛いのは紅亜だよ…あ、どっちかというと綺麗、かな?

そういえば財前君は…

『ねてる…』

よかったぁ―

「なん、ぜんざいは財前が気になるん?」

『ち、違うよ!!だって次の席替えまで隣なんだよ?
そりゃ仲良くなれたら嬉しいけど、ちょっと…いやかなり怖い…』

「あ―――頑張り」

『紅亜が見捨てた(´・ω・`)』

「はいはい、なんかあったら助けるから」

『紅亜だいすき!!』


そんな朝の出来事



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