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「落ち着いたか?」

『うん。ありがとう。
ごめんね、部活中だったんでしょ?』

「まあ、せやけど(お前のこと考えてて集中できひんかったなんて言えへん…)」

あの後私はまた泣き出してしまい、落ち着くまで光が側にいてくれた。
何を話すとかでなく、ただ私が泣き止むまで抱き締めてくれた。

『もう平気だから部活行っていいよ』

「…」

『どうしたの?急に難しい顔して』

「ちょっと来い」


手招きをしてそのまま歩き出したので私は愛しい背中を小走りで追いかけた。


*****


『ここ…って…』

外にまで行くので何処に行くのかと思ったら光の、テニス部の活動場所である、高い塀とフェンスに囲まれた

『テニスコート…?』

「せや。こっち。」

『えっ…でも私部外者だし…』

「ええから」

『う…お邪魔します…』

恐る恐る部室にお邪魔すると、今は休憩中らしく、白石先輩や謙也先輩たちが打ち合わせの様なことをしていた。


「部長」

「ん?…って財前!お前何処行っとったん…ってぜんざいちゃんやん」

『こんにちは。お邪魔してます』

軽く頭を下げ挨拶すると白石先輩は少し驚いた後、私と光を交互に見てニヤリと笑った。

「ほお〜なるほどなぁ」

『?』

「いやーよかったなぁ財前、両想いやん」

「ちょっ、何言ってんすか!」

私達は揃って真っ赤になってしまい、先輩方を余計に笑わせてしまった。

「おめでたいなぁ」

『け、謙也先輩』

「いやー財前に彼女が出来るなんてなぁ〜」

「先輩らは皆して彼女いませんけどね。」

「「グッ…」」

光の鋭い言葉に白石先輩と謙也先輩はガクッと膝をついた。
少しリアクションがオーバーじゃない?これが大阪というやつか…というか

『えっ、2人共彼女いないんですか!?かっこいいのに?』

「せやろ?俺イケメンやもんな、エクスタシーやんな?」

…ああ、

『中二病だから彼女出来ないんですね』

「「ブフッ」」

「笑うなや!謙也かて彼女おらん癖に」

「う、うっさいわ!」

『謙也先輩は優しいしかっこいいのに彼女いないなんて不思議ですね』

「えっ、俺かっこええ!?ホンマ?嬉しいわーって財前怖っ!!!」

謙也さんがぎょっとした顔で光の方を見たので、そろーっと斜め上を見ると、謙也先輩でもわかってしまう(失礼)ような程の怒りオーラを発していた。

『ひ、ひかるぅ…』

「ぜんざいは謙也さんかっこええと思うん?」

『う、うん…』

「ふーん。あっそ。」

わああー怒ってるぅー光くんおこだよ。プンプン丸だよ。そっぽ向いちゃったし
…もしかして

『光、嫉妬してる?』

「…………別に」

してるのか。なんか可愛い。

『光、私は光が1番かっこいいと思うし、その、す、すき、だよ?』

うわー…恥ずかしい…しかも部室にいる人達めっちゃ見てるし…


「…ならええわ」

「エンダァァァァァーーーーー」

「イヤァァァァァァァァァァーーーー」

「先輩らうるさいっすわ」

相変わらず毒吐いてるけど機嫌は直ったみたいで、口元が少しつり上がった。




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