2. [ 18/24 ]
電気もついていない薄暗い教室
私は1人でぼうっと自分の席に座っていた。
「勝手にしいや」
あのときの光の言葉と表情がループする。
嫌われちゃったかな…
『ひかる…』
右側にある今は誰も座っていない席をちらりと見る。
あれから一言も交わさずに過ごした。
そんなこと初めてで、胸が痛くて痛くて仕方なかった。
『ひかる…っ』
カタンと席を立って窓際に立つ。
塀のせいであまり見えないテニスコートからボールを打つ音が響く。
『〜♪』
溢れ出た気持ちがメロディへ変わっていく。
届きますように、ぜんざいPに。
気づかれませんように、光に。
[*prev] [next#]