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私は最近おかしい。



「ぜんざい、古典の教科書見してや」

『う、うん。』


すべてはこの男、財前光のせい。

昨日の一件からお互いを名前で呼ぶことになったんだけど
光が私の名前を呼ぶ度に胸が締め付けられる。

私はこの感情を知っている。
伊達に乙ゲーをやり込んでいない。

そう、これはきっと恋だ。
私は光に恋をしているんだ。

でもこれは浮気になるんだろうか
私はぴんくであり、ぴんくにはぜんざいPという旦那がいる。
まあそれはあくまでもネットの中の話だけど、でもぜんざいPは私にとって大切な人だ。


「おい、ぜんざい」

『ハッ…ごめん考え事してた』

「全く…
今度また善哉食いに行かへんかー言うたんやけど」

『い、行きたい!
光って善哉好きなの?』

「善哉ちゃう、白玉善哉が好きやねん。
そういや関西で言う善哉は関東のお汁粉なんやろ?驚かんかったん?」

『ううん、だん…友達が教えてくれたから。』


まだ私が東京に住んでいて、ぜんざいPと仲良くなったばかりの頃にチャットで彼が教えてくれた。

ぴんく:ぜんざいPって、善哉が好きだからぜんざいPなんですか?

ぜんざい:善哉ちゃう、白玉善哉が好きなんや。

ぴんく:へぇー…私実はお汁粉派なんです

ぜんざい:お前ええ度胸やなwww
せやけど関西で言う善哉は関東のお汁粉やからな、許したる

ぴんく:そうなんですか!初めて知りました!



アレ…何コレデジャヴ

え、どういうこと?確かに2人は雰囲気とか似てるような気がするけどさ…

case1 ぜんざいP=光
いやいや…それはないでしょ。そんなの奇跡すぎるだろ

case2 私は光にぜんざいPを重ねてた

『それか!』

「な、なんやねん急に」

『あ、何でもない。考え事してただけ』


そっか、そうだったんだ。

あれ?そうすると…
私は光とぜんざいPどっちが好きなんだろう。


私はこの時人生最大の悩みを抱えていた。
奇跡が起こるとは知らずに。



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