4. [ 15/24 ]
私は最近おかしい。
「ぜんざい、古典の教科書見してや」
『う、うん。』
すべてはこの男、財前光のせい。
昨日の一件からお互いを名前で呼ぶことになったんだけど
光が私の名前を呼ぶ度に胸が締め付けられる。
私はこの感情を知っている。
伊達に乙ゲーをやり込んでいない。
そう、これはきっと恋だ。
私は光に恋をしているんだ。
でもこれは浮気になるんだろうか
私はぴんくであり、ぴんくにはぜんざいPという旦那がいる。
まあそれはあくまでもネットの中の話だけど、でもぜんざいPは私にとって大切な人だ。
「おい、ぜんざい」
『ハッ…ごめん考え事してた』
「全く…
今度また善哉食いに行かへんかー言うたんやけど」
『い、行きたい!
光って善哉好きなの?』
「善哉ちゃう、白玉善哉が好きやねん。
そういや関西で言う善哉は関東のお汁粉なんやろ?驚かんかったん?」
『ううん、だん…友達が教えてくれたから。』
まだ私が東京に住んでいて、ぜんざいPと仲良くなったばかりの頃にチャットで彼が教えてくれた。
ぴんく:ぜんざいPって、善哉が好きだからぜんざいPなんですか?
ぜんざい:善哉ちゃう、白玉善哉が好きなんや。
ぴんく:へぇー…私実はお汁粉派なんです
ぜんざい:お前ええ度胸やなwww
せやけど関西で言う善哉は関東のお汁粉やからな、許したる
ぴんく:そうなんですか!初めて知りました!
アレ…何コレデジャヴ
え、どういうこと?確かに2人は雰囲気とか似てるような気がするけどさ…
case1 ぜんざいP=光
いやいや…それはないでしょ。そんなの奇跡すぎるだろ
case2 私は光にぜんざいPを重ねてた
『それか!』
「な、なんやねん急に」
『あ、何でもない。考え事してただけ』
そっか、そうだったんだ。
あれ?そうすると…
私は光とぜんざいPどっちが好きなんだろう。
私はこの時人生最大の悩みを抱えていた。
奇跡が起こるとは知らずに。
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