2. [ 13/24 ]
しらたまが食べようとしたクッキーは今、俺の口の中。
そう、取り上げて食べてしまったのだ。
「財前お前何しとんねん」
「…こんなんばっか食っとると太るで」
うわ、俺最低やん。
『ーーーーっ』
しらたまはじわりと目に涙を溜めて堪えている。
「ぜんざいちゃん、ほらまだあるさかい、なっ?」
『…』
ブンブンと首を横に振って下を向いてしまった。
「財前!謝り」
「ぜんざいちゃん、大丈夫やで」
謙也さんがしらたまの頭を優しく撫でる。
子供をあやすように。
パシッ
「…触らんといてください」
何故か苛立ちを覚えた俺は謙也さんの手を叩き落としてしまった。
部長も謙也さんも困ったような顔をしている。
「…行くで」
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