年の差を気にする財前 [ 6/7 ]

「俺国際通り行きたいわ」

「んじゃ国際通りは最後にして
あと首里城とか回るか」

『やっぱ海でしょ!!』


季節は修学旅行(?)
我が四天宝寺3年生ももう少しで沖縄にいく。

私はいつも一緒にいる蔵と謙也と紅亜と同じ班になった。


やっぱ修学旅行は楽しみなもので
お昼を食べている今も話はそのことで持ちきりだ。


「ほほほーじさん」

『お、光!今日は遅かったね』

「ちょっと飲み物買いにいってて」


私の彼氏で2年生の光もお昼は一緒に食べている。

光が来たので皆空気を読んで修学旅行の話を打ち切ったのだが
空気が読めない男が1人


「あ、やっぱハブ首に巻きたいわ」

そう、忍足謙也だ。


「「謙也!!」」

蔵と紅亜が両脇から頭を叩いたが
謙也は理解しておらず、頭に?を浮かべている。


『ご、ごめんね光…』

顔を覗き込んでみると

「別にほほほーじさんが悪いわけやあらへんし。気にしてないです。」

口ではそう言っているが
明らかに不機嫌な顔をしている。


「けーんやくん」

「ちょーっといいかしら?」

満面の(黒い)笑みを浮かべた蔵と紅亜が謙也を引っ張って屋上から消えた

2人きりでカップルとしては嬉しい限りだが
KYな男のせいで気まずい空気が流れ
私も光も口を開くことなく黙々と食事を進めた。



キーンコーンカーンコーン♪


『あ、じ、じゃあ戻るね』

屋上から出て行こうと立ち上がると


ぎゅうっ

光に後ろから抱きつかれた。


『ひ、光…?』

「…」


口を開かない光にドキドキしながらも正面を向くと

『ちょ、光!?』


光は今にも泣きそうな顔をしていた。

普段の彼からは想像もできない姿に慌てる。

『どうしたの!?』

「なんで俺は年下なんやろ…」

消えそうな声で光は話し始めた。


「ほほほーじさんと同い年なら修学旅行も、勉強も、卒業も一緒なのに…

ほほほーじさんは部長や謙也さんと仲良いし…」

『光…』


光は今度は正面から抱きついてきた。

やっぱり不安だったんだ…
そうだよね。


『私も。』

「へ?」

『光のクラス可愛い子多いし
やっぱ年上より同い年とか年下の方が良いんじゃないかなって思っちゃうことあるよ』

「そんなの絶対ありえへん
俺はほほほーじさんじゃないと嫌や」

『一緒だよ
光が私じゃないと嫌って思うのと同じくらい
私も光じゃないと嫌だもん。
蔵も謙也も友達。それ以上でも以下でもない。

私には、光だけ』


そう言って光の背中に腕を回す。

光もさっきのより力強く私を抱き締めた。


「ほほほーじさん」

『ん?』

「好き」

『私も、好き』


数秒見詰め合い、
お互いの距離が段々なくなっていき
目を瞑る…



「アッカーン」

バンッ

『け、謙也!!?』

「あーあ、邪魔しちゃアカンやろ謙也」

『蔵、紅亜まで!?』

「せせせせせやけど学校やで!?」

「…謙也さん」

『光?』


「死ね」

そう言って光は私の腕を引っ張り

ちゅう

『///』

「なぁっ!!?」

「やるな財前〜」


「ゴチソウサマでした」

数秒後私を解放して
ニヤリと笑いながら言った彼は
さっきの弱々しさなんてどこにもなかった。



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