ユウジはぴば [ 4/7 ]

『おはよ』

「おーほほほーじ」

『…何よ』


教室に入るなりクラスメイトの白石と謙也がニヤニヤしてこっちを見る。

「大丈夫、今日は特別ユウジは部活無しや」

そして急にそんなことを言い出す白石。
なんだコイツ気持ち悪い


『なんでユウジだけ休みなん?』

「なんで…て、その方がええやろ?」

『?』

「お前…まさか知らんの?
今日、お前の彼氏の誕生日やで?」



……………は?


『た、誕生日ー!!?』

「その様子やと今知ったみたいやな」

『だ、だってユウジ何も言ってない』

「彼氏の誕生日くらい把握しとけっちゅー話や」


謙也があきれた顔で言う

『うう…白石ぃ、どうしよう』

困ったらバイブルに相談だ


「うーん…これはどうや?


プレゼントはわ・た・し(はぁと)ってやつ」

『だが断る』


しまったコイツ変態だった

だからといって謙也がいい方法知ってるわけないし(ヘタレだから)

「小春に聞いてみたらどや?相方やし」

『謙也…見直したよ。ただのヘタレじゃなかったんだね』

「誰がヘタレや!!」





そんなワケで小春ちゃんに相談しようと思ったんだけど…

「小春ぅー次理科室やで」

「小春ぅー一緒にトイレ行こや」

「小春ぅー」






常にユウジが小春ちゃんの所にいる。

彼氏にこう言うのはアレだけど
一緒にトイレって…女子か!!





そんなこんなであっという間に放課後になってしまった

「ほほほーじー帰るで」

白石は本当にユウジを休みにしたらしい

『う、うん…』

「あ、部活はな、今日は足の調子悪くて休みやねん」

『嘘』

「へ?」

『ユウジ今日誕生日なんでしょ?
なんで教えてくれなかったのさ…』

「知っとったんか…」

『今日知った。
だから何も用意できなかったじゃんアホユウジ…』


もっと前から知ってたら
ケーキ焼いたりプレゼント買ったりできたのに。

そう言うとユウジは少し気まずそうに口を開けた


「やって…自分から言うの恥ずいやん…」

『そうかもだけど…』

「…スマン。」

『別にユウジが謝ることじゃないじゃん』


そう言ってユウジの手を握って歩き出した。
私達は滅多にこんなことしないから
ユウジもちょっとビックリしてそのあとバンダナを少しずり下げた

ユウジがこれをする時、それは


『ユウジ照れてる〜』

「照れてへんわ!!」


そんな強がるユウジが凄く愛おしくて


『ユウジ誕生日おめでとう』

「お、おん…!!?」


それから私はユウジの胸に顔を埋めて背中に手を回した


『ユウジ』

「な、なんや」

『すき』


私も流石に恥ずかしくて
耳元で消え入りそうな声で言うと
ユウジも私の背中に腕を回した

「俺も好きや。」

ちゅ

『なっ////』

「最高の誕生日プレゼントもらったわ」




Happy Birthday 一氏 ユウジ
2012.9.11

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