財前と日直をやる [ 1/7 ]

それは、ある日の放課後

『ちょお財前!ちゃんと仕事しいや』

放課後なのに日直で居残り。
でもそれが苦ではないのは好きな人と一緒だからやろか。


「めんどいねん。日直なんて女子の仕事やろ」

『それを偏見ちゅーねん』

財前は一見冷たいように感じるけど結局「しゃーない」ってやってくれる。
私はそんな彼の隠れた優しさが好きだ。

「じゃあ俺黒板やるからお前日誌書き」

『うん』

日誌を開いて書き始める。
1時間目は歴史、2時間目は国語、3時間目は…あれ?なんだっけ

『財前ー3時間目ってなんやっ…!?』

顔を上げるとなぜか財前のドアップが。
か、顔が近い…

「英語」

『あ、ありがと…黒板は?』

「もう終わったわ」

早っ!!
財前は前の席の田中君の椅子を引いて頬杖をして日誌を覗き込んででいる

もう一度言おう。近い。
下を向いて続きを書く。もう上向けないよ…

「四天て字綺麗やな」

いやいやいやいや
緊張で字が震えてますけど!?

『そ、そんなことないよ』

集中しよう。集中集中…


ひやり

『っうえ!?』

耳にひんやりとした何かが…

「耳、赤いで?」

財前の手は冷たいなー、ってそうじゃなくて

『ちょ、なっ』

「プッ」

『わ、笑うなー!!』

こっちはパニックなのに何を笑ってるんだコイツは…

「すまんすまん。ほら、早よ続き書き」

もう恥ずかしさと怒りで思考が正常に働かない。
もういいや、テキトーに書いちゃえ



『終わった!私提出してくるから部活いってき』

日誌を持って立ち上がり、後ろを向く

「待ちや」

ふわ

『えっ…?』

え、何、なんで後ろから抱きしめられてるの//

「クスクス…また耳真っ赤や。」

『は、離し!このタラシ野郎』

「タラシ?んなわけあるか」

『だ、だってこーゆーのは軽々しくやっちゃアカンやろ…』

「ハァ…」

ちょ、ため息が耳にかかっとるんやけど!!

「1回しか言わんからな」

『え、な、なn「好きや」…へ?』

好き?マジ?

「返事は?」

『私も、好き、や。』

ひょいっと日誌を取られ、財前は歩いて行ってしまった。
え、まさかさっきの冗談とか?

「あ」

そう言って私の所へ戻り

「下駄箱で待っとき」

『?』

「一緒に帰らへんの?」

『か、帰る!!』

「ちゃんと待っとれよ?」

そう言って頭をポンとして歩いていった。

『あ…』

財前の耳も、真っ赤だ




おまけ?

『部活は?』

「…………休み」

『(嘘だな)』


どうしても一緒に帰りたかったようです。

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