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「HR始めるで〜」

新しい先生が入ってきた。



「えーと、このクラスの担任の渡辺オサムや。オサムちゃんて呼んでーな」

変なチューリップハットをかぶった先生はさっきの台詞からもわかるように適当そうな先生だ。
去年の担任は厳しかったが今年は楽そうだ。


「おっ、天才財前君が居るやん。」

渡辺先生に話し掛けられた財前君は嫌そうな顔をしている。

財前君、渡辺先生と知り合いなのかなぁ…でも去年の私達の学年にはこんな人いなかった…
それに、渡辺先生が言ってた"天才"ってゆーのも気になる。

もし財前君が普通の男子みたいな子なら気軽に聞けるのになぁ…


「…何やねん」

財前君が急にこっちを向いた。
うう…やっぱり怖い

『なっ、何もないよ?』

「嘘吐け。こっちチラチラ見といて何もないワケあらへんやろ。言え。」

こ、怖いよー…めっちゃ睨んでる…

『そ、その、財前君と渡辺先生は知り合いなの?』

「渡辺先生?
あぁ、オサムちゃんの事か。教師ぽくあらへんから誰もそう呼ばんさかい、わからんかったわ」

「財前〜聞こえとるで。相変わらず毒舌やな〜ハハッ」

「あん人はな、ああ見えて男テニ顧問なんや。」

『そ、そうなんだ…』

「だから聞こえとるっちゅーねん
まぁ俺の力もあって全国行けたっちゅー話や」

「…」

「ツッ込めや!ホンマ冷めとるやっちゃなー」

『テニス部ってそんなに強いんだ…』

ボソッと呟いた筈が隣の財前君にはバッチリ聞こえてたようで。


「お前ホンマに何も知らへんな。」

『ご、ごめん…』

「財前が女の子いじめとるー白石にチクったろ」

渡辺先生…オサムちゃんが助けて(?)くれた。


でも白石って誰?先輩かなぁ
財前君も嫌な顔してるし…

もしかして財前君よりドSで怖いとか!?
絶対近づかないようにしよう。



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