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ど、どうしよう!!

しらたまぜんざい新学期早々ピンチです。


この人起こさないと私座れないよ…

あ、この人の席に座ってればいいんだ!!
そうしよう。それでこの人が起きたら言えばいいよね


…この人誰?
名前わかんないと座席調べられないよ…
去年のクラスにこの人はいなかったと思うし…


少し観察してみよう
退屈だし、もしかしたら名前わかるかもだし。

真っ黒いツンツン頭で…ん?コレは…ピアス!?
カラフルなピアスが1、2、3、反対に1、2…ってことは5個もついてる!!
赤に青に…オリンピック?
この人オリンピックが好きなのかな…

わ、顔整ってる…


「いつまで見とんねん」

『うえぇ!!?起きたあああ』


むくりと起き上がったピアス君(仮)

「…なんやねん」

ふ、不良だー!!
目つき悪いし声が低くてめちゃくちゃ不機嫌だ!!

でも言わないと席つけないし…


『あ、あの、そこの席私の…なんだ、けど…』

声が震えてるぅー
どうしよう「俺に指図すんじゃねーぞシメんぞコルァ」とか言われたら…


「…マジか」

そういってピアス君(仮)は座席表を見に行ってしまった。


あーシメられなくてよかった…

でももう彼と関わることはないだろuガタッ


「1個間違えてたわ」



まさかの隣ー――――!!!?


『あ、そうなんだ…』

「てかお前なんで立っとったん?俺の席座ればえかったやろ」

『え、だって私、あなたの名前知らないし…』


そう言ったらピアス君(仮)は「は?」とか言って固まってしまった。

『あ、え?も、もしかして去年同じクラスだったとか?』

「いやクラスは違かったんけど
俺、テニス部なんやけど」

『テニス部?ごめん私男テニの知り合いはいないから分かんないや』

「…ソレ、ホンマに言っとるん?」


ピアス君(仮)が少し変な顔してる。
やっぱ知り合いだったのかな…でも

『私こんな不良の知り合いいないし…ハッ!』


こ、声に出してしまった…今度こそ殺される…
ホラ、睨んでるよピアス君(仮)が

『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい』

「…プッお前、おもろいわ」

『へ?』

「財前光」

『ざいぜん…くん?』


どうやら彼は財前君と言うらしい。
聞いたことない名前だ…

「おん。お前苛め甲斐ありそうやな。」

そう言ってざ…ぜんざいくん?はニヤリと笑った。

ちょ、今なんて?
まさかのドSさんでしたか…


「で、お前の名前は?」

『あ、えっとしらたまぜんざい…です』

「ふーん…まあ仲良くしたるわ。苛め甲斐ありそうやし、これで退屈せんわ。よろしゅうな」


この人私を苛めるつもりだー!!
ちょ、やだよそんなの…


「人がよろしゅう言っとるんになんも言わんのかい」

『よ、よろしくお願いします…ぜんざい君』
「財前や」(ギロッ)

『ご、ごめんなさいぜん…財前君!!』

「許さん」

『ええっ!!?』

「嘘や。
やっぱお前おもろいな」

『うう…』





隣の彼はドSさんでした


「やけど次間違えたら…」

『ひぃっ!!気を付けますっ!!!』

「クスクス」




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