「来たぞ」
 周防はホテルの部屋のドアを開けた男に、言った。髪の毛をオールバックにした、きつい顔の美形である。
「会長様が来たよ。ゆきらちゃん」
 部屋の中にズカズカ入れば、縛られて泣いているゆきら。
「周防様!」
「ゆきら、平気か?」
 ゆきらの側にいるのは、オールバックの男と同じ顔の髪型のみ違う男。
「伊集院兄弟、どういうことだ」
 一卵性双生児の会計、伊集院大地と海里。いつもは生徒会以外接触のない彼らは、実はノンケである。太陽へのアプローチに、周防は驚いたものだ。学年は周防より上の3年生。ゆきらと同じぐらいの、やや筋肉の付いた均整の取れた体つきの悪戯双子は、今日は神妙な顔をしていた。そして、もう一つ。この2人の家に幼少期より家政婦に入っている女性は、ゆきらのストーカーの姉に当たる・・・。
 ゆきらと本気で付き合いだした時、周防はゆきらのストーカーをしていた女性について、調べていた。その女の年の離れた姉が、伊集院家の家政婦だとしても、真面目で、すでに実家と縁を切った状態の中年女性とのことで、なんら問題はなかった。今日までは。
「俺らの親代わりなんだ・・。その人が白血病で、骨髄の移植が必要で、姉妹の型が一致して、明日移植用の骨髄採取の予定」
「前日に、言いだしたんだよ。あの女・・・。俺らがあんたらと接触できるって知って・・・。言う事聞かなきゃ、移植の直前でごねるって・・・」
「移植しなきゃ、でも、他にドナーはいない。むかつく女だし最低だけど・・・、俺らにとって、あの人はただの家政婦じゃない・・・。だから、あの女の要求を飲むしかない」
 周防は無表情に、2人を見た。
「「要求は、自分の惚れてたゆきらちゃんの男を、レイプする事」」
「嘘・・・。なんで・・・」
 呆然とするゆきら。
「知らない・・・。女ってえぐいね。ゆきらちゃんが男にはしったって知って、その相手を、って・・・。俺達ゲイじゃないし、男とやった事なんてないんだけど」
「じゃあ、俺を!!」
 ゆきらは叫ぶが、2人は首を振る。
「俺らだって、この人よりゆきらちゃん相手の方が良いけど、駄目だって・・・。途中で動画、撮って送れって。変な小細工されて、移植できなくなるの、ごめんだし、すまないがヤラセテもらう」
「いやです!!駄目です!!」
 叫ぶゆきらの口に、猿轡がはめられる。
「ゆきらに乱暴するな」
 周防は、静かに言った。
「反吐が出る。その女は、ゆきらに相手にされなかったのも道理だ。悪辣すぎる。が、いい。ゆきらの身の安全が第一だ。ゆきらに見せるな。ならば、抵抗はしない」
 とんっと大地がゆきらの首筋を打つ。とさりと意識を失い、ゆきらが崩れ落ちる。
「へえ、良いの?会長様、俺らとやってくれるの?」
「俺ら、ゲイじゃないし、会長様も女役初めてでしょうに」
 周防は、自分からシャツを脱いだ。
「生憎だな。俺様は、ゆきら限定で」
 自分でベルトを抜き、艶然とほほ笑む。
「ネコだ」



***



ハアハアと荒い息遣いは、3人分。
「もう、入れて良いかね、会・長・様」
 海里の問いに、周防は頷く。
「すげ・・・。本当に入るもんだね・・・」
「おい、海里、こっち向け。会長様も、上向いて顔撮らせて、送るから」
 大地は周防が犯されている動画を撮って、送っている。ほどなく、メールが届き、大地は舌打ちした。
「ッチ!俺にも参加しろって。3Pだと。本当にえぐい女」
 忌々しそうに、吐き捨てて、大地は周防の顔をねじ向けて、唇を奪う。
「会長様、そういう事で、口使わせてもらうね」
 ペロンと舐め上げ、次の瞬間には周防の口内に自分自身を捩じ込んだ。
「大地、マジやばい・・・。会長様の中、絶品」
 下で腰を使っていた海里が呻く。
「く・・・。上もうまいぜ」
 びくびくと周防の身体が震える。少しして、口の中とゴムごしに体内に射精され、2人が離れる。周防は口の中から精液を吐き出し顔を歪めた。
「まずい・・・」
 上ずった声・・・。紅潮した顔と身体。全身にしっとり汗をかき、周防の性器の周囲には、飛び散った精液が垂れる。壮絶な色気に、2人は知らずに喉を鳴らす。
「会長様、次、俺が使わせてもらうね」 
 大地の挿入には余裕がなく、周防は呻いた。
「がっつくな・・。ゲイじゃないんだろう・・・、貴様らは」
「そうなんだけど・・。本当、すげ・・・。喰われそう」
 始まる律動に、周防は仰け反る。
「本当に、抱かれるのに慣れてるんだね、会長様」
「く・・・。ゆきら限定・・・だ。他の・・・やつ相手な・・・ぞ、ぐ・・・」
「じゃあ、今回は特別?」
「くそ・・女・・・。ちゃんと・・、始末し、うあ」
 びくびくと周防が逝く。
「わかってる・・。こんなことして、ただで済むと思ってるのが、浅はか。落し前はつける」
「ねえ、俺らは?会長様?レイプ犯だよ」
 明るく言いながら、けれど2人の目は真剣そのものだ。
「かまわん・・・。その代わり、2度とあの女をゆきらの前に、出すな。くっ。もう良いだろ、入れるな!」
 また位置を代わっての挿入に、周防が抗議の声を上げる。
「だって、こんなに凄いなんて、ハマりそう。会長様、絶品」
「うん、どんな女より良い。もう何度やっても同じじゃん。喰わせて」
 双子の舌舐めずりせんばかりの様子を、周防は睨み据えた。
「冗談言うな。家ごと潰すぞ。どうしてもやりたいなら、貴様らがそこに寝ろ。2人まとめて掘ってやる」
「えー。いいじゃん。楽しもうよ、俺、会長様に惚れたかも」
「俺も、色っぽくて、男らしい。セックスも最高。趣旨がえしちゃ、駄目?」
 冗談めかしているが、目は本気だ。
「生憎だな。売約済みだ」
「「そんなに、ゆきらちゃん、良い?」」
 不満顔の双子に、周防はにやりと笑う。
「やらんぞ」
「わかった・・。会長様に惚れた瞬間、振られるわけね、俺ら」
「でも、なんで、許してくれるの?」
「・・・ゆきらの関係なら、俺様にとっても、な。それに、おまえらの立場で、家政婦の為にというのが、健気でな。健気なのはきらいじゃない」
 そんな周防の首筋を大地は舐め上げる。
「やっぱり無理。最後にやらせて」
「次で本当の最後にする」
 海里は周防の乳首を口に含む。
「・・・」
 無言の周防を肯定ととり、双子は周防の身体に溺れた。





「周防様・・・申し訳・・・」
 しゃっくりあげる、ゆきらを周防は抱きしめる。もう双子はおらず、部屋には2人きりだ。
「ゆきら、おまえが今すべきなのは、それじゃない」
 周防に言われ、ゆきらが顔を上げる。
「来い、ゆきら。喰わせてやる」
 手を取られ、ゆきらは周防を見上げる。そのままそっと、口づける。
「周防様、いただきます」
 それが、合図。溺れるのは、今度は・・・ゆきらの番





end.


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