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▼ #とは

※タピオカについて否定的だったり肯定的だったりの意見が出ているので特に極端に好きな方、又は嫌いな方はご注意ください※



「え、タピオカやってないんですか?」

 じゃあいいや〜〜、と帰っていく女の子達を見送る。否、見送る他無かった。

 タピオカ、タピオカとは。

 いやタピオカが何かは一応知っている。キャッサバのデンプンの事だ。ついでにスムージーちゃんのカジュータウンでも見かけたから見た目も分かる。おそらくデンプンの粉に味を付けて成形して熱を加えた物で間違いないだろう。しかしそんなに魅力的なものだろうか?見た目はカエルの卵では?カエルは害虫を食べてくれるから個人的には好きだけれど、食欲をそそられるものだろうか?

 頭ごなしに他所の食文化を否定するのは職業柄も含めて好きではないけれど、疑問符が浮かんでしまう。



「…ということがありまして」
「なんだ。飲んだ事が無かったのか?流行りだぞ」
「大体20年ぐらい前か?その頃にも流行っただろ」
「私の島では特には」
「田舎め」

 ズズズと音を立て太いストローの中を薄桃と黒の粒が移動していく。クラッカーが今飲んでいるものもタピオカドリンクだ。もぐもぐと口の中のそれを噛んでいる。シャーロット家の兄弟は流行に敏感と言うか、むしろ自分達で流行を作り出すからクラッカーもまた嗜むのも当然かもしれない。

 タッセは行儀が悪いのは承知で頬杖をついた。流行りに乗るのは苦手だ。良いものはいつでも評価されると思っている。…しかし一経営者として需要を無視する事も出来ないので、文字通り食わず嫌いはするべきでは無い。無いのだが…

「嫌悪感が無いなら食ってみるといい。美味い店なら紹介してやろう」
「…甘くないドリンクのお店知ってます?」
「任せておけ」

 自信満々にニヤリと笑うクラッカーに、タッセの憂いが晴れた。お菓子の国と言い換えてもいい万国で甘くないものを探すのは難易度が高い。お願いします、と頭を下げればわしゃわしゃと撫でられた。



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