▼ 船の上
どこからともなく漂う甘い匂い
「戎兵」
壁1枚、ガラス1枚越しに聞こえてくる賑やかな歌声
「なんでしょうかクラッカー様」
陽気で従順なホーミーズ
「仕事を寄越せ、どうせ溜まっているのだろう?」
これこそがおれの日常だ
「え、あ、はい!!しかし宜しいのですか…??あのような何も無い島に居られたのです…体力は兎も角、気疲れしてらっしゃるのでは…」
おずおずとこちらを伺ってくる戎兵の心配も尤もではある。しかし杞憂だ。
「なに、万国のお菓子が恋しくなった程度だ。問題ない」
帰ったらママに何年ぶりかの『おねだり』をするんだ。仕事なんて溜めていられるものか。
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