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彼の幸せ3

「江戸川くん、その辺にしときなさい。
美織さんも迷惑よ」

そして小声で「あなた17歳の自覚ないの?」
と囁いた。

「義姉さん助かりました。哀ちゃんもありがとう。
なんだか松田がいると聞き分けが悪くて…」

「そうなの〜?しん…コナンちゃん?」

元女優の割にこの人結構危ないよね。
新コナンみたいになってる。
コナンに新旧はないぞ。

「…」

で、松田は不機嫌だし。なんなのよもう。

兄夫婦に付いてきてくれたのは灰原哀ちゃん。
博士の家に住まう女の子で新一の現在の同級生。
いやに大人びていてるのはこの子が本当は6歳ではなく10代後半で、新一と同じ状況だからである。
そうだとしても年の割に大人びているのは変わらないのだが…

「あ!そうそう!
美織ちゃんも良かったらうち来ない?」

「へ?」

突然の義姉さんの提案に変な声が出てしまった。

「実は沖矢くんがビーフシチューを作ってくれたんだけれど量が多くって!あ!なんなら松田くんもいらっしゃいよぉ〜!」

やっぱり赤井さんビーフシチュー作りすぎちゃうんだァ…って松田も誘うの?

「…松田、どうする?」

「松田の兄ちゃんはダメー!」

「しん…コナンちゃんは黙っててねぇ?」

ニッコリと義姉さんがコナン、基新一の口を塞ぐ。

「ンンン!!!」

「良かったら松田くんもおいで。
本当にかなりの量のようだから。私たちが帰ってくると知って張り切ったようでね。食べきれないのは申し訳ない」

ダメ押しで兄さんが笑顔でそう松田を促した。

「わかりました。迷惑で無ければ、お邪魔します」

そして義姉さんの腕の中でぶーたれる新一。
何故ここまで頑なに松田を邪険にするのか、17歳にもなって、いや、6歳になってからと言った方が正しいが何はともあれ大人気なく見える。私からすれば子供であることに変わりないが。

「それじゃあ車で来てるから乗って乗って!
あっでも乗れるかしら…」

「僕が運転して松田くんが助手席、有希子と美織が後部座席でコナンと哀ちゃんを膝に乗せれば乗れるんじゃないか?」

「いや、俺は自分で車出します。
どうせ明日も朝から仕事なので帰らないといけないので…」

「じゃあ私も松田の方に乗ろうかな…
ついでに帰りも乗せてって?」

「あぁ、そのつもり」

「えー!!ダ「いいじゃなぁい!あっでも松田くんお酒飲めないけど…」もがが」

「松田が飲んだら私が帰りに運転するから平気!
ね?」

「あー…じゃあ頼むわ」

「おっけー!」

「解決したならみんな車に行くわよー!」

「ぼ、ボクも松田のお兄ちゃんの車に「ダメよし…コナンちゃん!」やだぁぁぁあ!!」

なんとか新一を工藤家の車に押し込み、私と松田は松田の愛車、マークXに乗り込む。

「じゃあ松田、安全運転でよろしく〜」

「おう。って…なにしてんだ?匂うか?」

と窓を開けようと松田が手をかけたが

「違う。松田の匂いだなって。なんか落ち着く」

タバコやら松田自身の匂いが混ざってまさに松田の匂いがする。

そう言うと松田が顔を手で覆い、ため息をついた。

「松田?」

「…おめーなぁ、それわざとか?」

「え、なにが?」

「…無自覚とか勘弁しろよ…」

「なんて?」

小さく言った松田の声は聞こえなかった。

「何でもねぇよ。でるぞ。シートベルトしたか?」

「した」

「しっ」

ブルルルとエンジンが掛かりゆっくりと車が動き出す。




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