異次元の狙撃手15
「世良!しっかりしろ世良!」
「真純ちゃん!新一!」
「みお姉!っくそ、血が止まんねぇ!
ってみお姉も撃たれたのか!?」
「っ…出血ほど酷くはない。止血するわよ!新一は救急車呼んで!」
とは言えど、私の方も血の滲みが尋常ではない。
意識ははっきりしているが、血液を流しすぎれば拙い。
出る前に赤井さんに投げ渡されたものを腰のウエストポーチから引き抜く。
「赤井さんから止血帯。少しはマシになるわ」
「みお姉は!」
「真純ちゃんよりマシ!救急車どんくらいで着く?」
「5分…だな」
「…なら、二人呼び戻すより早いわね」
「くそっ」
「自分を責めるんじゃないの…ってぇ…」
「だけど、俺のせいで…!」
「今は、生きてて、助かる可能性があるんだから、来たわ」
救急車が停車して隊員が降りてくる。
「世良真純17歳、銃弾を被弾し出血、意識不明、脈拍120です」
「あ、ありがとうございます!すぐに三次に…「こっちの人も撃たれたんだ!」え!?その血…!」
「っ…」
「貴女も乗って!中で止血します!ほら坊やも!患者増えました!意識レベルクリア脇腹に被弾、出血多量ですが受け入れ可能ですか?」
───────────
救急病院に運ばれ、真純ちゃんは手術室へ、私は処置室で止血と傷の手当がされた。
それと、入院を勧められたが、安静を条件に解放された。その時、新一と共に目暮警部に呼ばれ、病院の中庭に出た。
新一は今回のことを語る。
「となると、あれは無差別殺人ではなく…最初からマーフィーさんを狙って…」
「うん…」
「ありがとう。それを確かめたかったんだ」
「やはり、 犯人とハンターは共犯ということですかな」
と、ジェイムズさんが言えば、高木刑事が驚きながら「どういうことですか?」と聞けば、先のことを説明するジョディ先生。
8年前の後遺症で狙撃が出来なくなっていた、ということだ。
しかし、千葉刑事が日記について言及すれば、あれは嘘だったと。
その上、ハンターは自分自身の射殺すら犯人に依頼したのだろう、と。
驚く刑事らに全貌を話す二人。
「…美織ちゃんの言っていた…」
「…まぁ、あれは憶測…額に一発、損傷がほとんどない。偶然とは思えない、から?」
状況証拠では?という言葉に、証拠がある、という言葉。
FBIでベルツリータワーの映像を解析したところ、スポッター…スナイパーと組んで、標的の動きなどを逐一報告する観測手らしき人間が映っていた。
「…SEALDsでスポッター…?」
「使わないはず…だよな?」
「…だけど、彼らはもうSEALDsじゃないから…
新一、どうして、犯人は今回レーザーポインター使ったと思う?」
「レーザーポインター…!?」
「観測手に最大射程範囲…動く標的…ハンターを撃ち殺して、レーザーポインターの今回…」
「それって…後で、場所を変えていいか?」
「勿論」
そして、今回の狙撃地点から見つかったのは、サイコロと空薬莢。
数字は
「5だったんです」
「5!?」
「…つまり、カウントダウンではない…」
「あぁ…美織くんが先日言った…別の意味、だろうね」
「…犯人はスコット・グリーンかケビン吉野だろうけど…意味合いとしては実質…振り出し…か」
───────────────
「ここ、ね」
カラッと扉を開いて病室へ入ると
「!…美織さん!コナンくん!」
「蘭ちゃん!園子ちゃん!」
「美織さんも撃たれたって…!」
「そう言えば!お姉様大丈夫なんですか!?」
詰め寄る園子ちゃんと蘭ちゃんに圧倒しつつも大丈夫!と苦笑いをうかべる。
とはいえ、今は、麻酔が効いているから痛くないだけで切れれば痛みは必至。
「コナンくん…世良さんのことは私たちに任せて!ね?」
「うん…」
「真純ちゃん、どう?」
眠る姿に顔を歪めれば、蘭ちゃんは苦笑する。
「命に別状はないし、少し落ち着けば目覚めるってお医者さんが…」
「そっか…」
「私と園子が居ますから、美織さんも怪我があるし帰ってください」
「えぇ…あれ?あの花、蘭ちゃんたち?」
テーブルに置かれた花束。に気づき、そちらを見れば蘭ちゃんや園子ちゃんも心当たりはない様子。
「…誰だろう?綺麗…」
「花瓶に飾りましょ!」
まさか…
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