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ここから先は逃げられない



「「村雨光ぅ?」」

声を揃えて問い返してくるのは松田さん、萩原さん。

「そ、知ってる?」
「しらねぇけど」
「あー、了解おっけー把握した」
「おい何の話だよ」
「こっちのはーなーしー」

やはり知らなかったか。
本名なら分かるかもしれないが偽名で知らないのならば恐らく関わってないのだろう。
まぁそりゃ公安だもんな。

「う〜ん……ねぇ、もし私が急遽車出してって言ったらどっちが出てきやすい?」

「日によるな……俺も萩も無理な時あるしな」

「だよね〜
うん。なんでもない」

まだ巻き込む時じゃない。
だったら、一人で動きやすいあの人かなぁ〜……

──────

「で、うちに来たと」

「皇くん暇でしょ?」

「暇じゃねぇよ! 店あるわ!」

「自由業でしょ?
弟子の可愛いお願いだよ!
まぁ、ただのアッシーになってってわけにいかない可能性もあるけどね」

「……今度は何にツラ突っ込んでんだ」

「うふ」

「真顔やめろ」

「頼める?何も聞かなきゃ巻き込まれないよ」

「……ったく……今は深く聞かねぇよ」

──────数日後

「爆弾、起爆スイッチ、マット」

「どうするんじゃそれ……」

「ひーみーつー
ちょっと出てくるね」

知らないメアドからメールが来た。
名前は書いてないけど、これはきっと

「……スコッチ、さん」

────駅で渡したいものがある

「渡したいもの、ねぇ」

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