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事後報告



「みぃちゃん?」

「……はい」

「何か言うべきこと、あるわよねぇ?」

「ぐっちょっタ、タンマ……!」

「まぁたなぁい!」

ぎぎぎぎっと音が聞こえる気すらする有希子のヘッドロックに手をバタバタとさせる美音。

事の発端は1分前に遡る。



「……あらやだぁ! 松田くんあたしのファンだったの〜?」

「いや、そうじゃなくて、これ、一応本人にお返ししようと思って」

「え?」

松田が有希子へ手渡したのは有希子の隠し撮り。

「美音に送り付けられたうちの1枚です」

「送り付けられた?」

ガチャ

「ただい、なんで松田さんがいんの……ってあー!!!」

「みぃちゃん? この写真が送り付けられたってどういうこと?」

「いや、なぁんでだろ、あはははっいだいいだいいだだだだ!」

──────────というわけで

「まぁ自業自得だな」

「いやいやいや、助け……!」

「ん〜?」

「いだいいだい!! 待って話すから! 話すから!」

「ふぅん? 仕方ないわねぇ」

「実は……」

端的に彼女へ伝えられたのは、ストーカー被害について。
勿論、突き落とされた件については結局誰にも話していない。つまり、今も。

「なんで一人で……いえ、これに関しては優作もしんちゃんもだったわ……うちに最近寄り付かなかったのはそれね……でも! 相談してくれてもいいんじゃない?」

「う、うん……ごめん……」

「分かればいいのよ。まーったく!
相談してくれればストーカーくらい私が相談に乗ったのに〜」

「へ?」

ぶーたれる有希子に怪訝そうにする美音と松田。

「あら、二人とも忘れたの? 私これでも稀代の大女優よ?」

ストーカーくらい経験済よ〜などと明るく言い放った。

「いや、いやいやいやいや!
そんな明るくいうことじゃなくねぇ!?」

「もう10年近くも前だからこうもなるわよぉ〜」

事後報告

「それ優作くんも知ってんの?」
「言ってないわ」
「あんたもか」

*

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