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突撃!近所の幼馴染



「……って言うわけです」

「っ……まぁ、すぐに言わなかったことに関しては今回はいい。次は覚えてろ」

「脅されちゃ言えないよ……」

その時、ドンドンドンドン!と扉が悲鳴をあげた。

「いてっちょっ香奈! のしかかんないで!」

「美音ー!!!! 平気ー!?!?!?」

「!? は、なに、香奈に友里恵……?」

「ちょっとアンタら車止まった途端に飛び出さないで! 死にたいの!?」

「玲香……?」

「……なんか……騒がしい……ね?」

「……はぁ出てくる……」

その間にも玄関の扉は叩かれる……というより殴られている。

「うるさい!!! 叩くな!!! 開けるから!!!」

「あ!美音!!!! 無事!?!?!?」

ガチャっと開ければうるさい幼馴染がどっと倒れてきた。

「ぶねっ……!」

「いっ……! 香奈! どいてってば!!!」

「ごめんごめん」

「ごめんですんだら警察いらねぇー!!!」

友里恵が香奈にのしかかられ一番下に倒れている。
香奈が立ち上がれば美音ー!と突進する。

「あぶねっ」

ゴッ

思わず避ければ、香奈が玄関の段差に躓き床にコケた。

「な、なんで避けるの……」

「危ないから」

「危なくないよひどくない!? 非道!!!」

「うるさい! 香奈! 黙って!
美音、この写真とか見覚えない?」

と後ろから出てきた玲香が差し出したデジカメに出ている画像は私の写真そのもの。
しかし、視線はレンズに向いていない。つまり、隠し撮りだ。

「あ、これ……」

「心当たりあんの!?」

パラパラと見ただけだったが、たしかこのアングルの写真がさっきの箱にあったはず。

「このデジカメどうしたの……?」

「さっきあたしが隠し撮りされたの」

と、言ったのは香奈。
よく見れば髪は生乾きで恐らく水泳の帰りだろう。

「で、気づいたのが私。
監視してた黒服が捕まえようとしたんだけど……」

話を聞けば城ヶ崎財閥がスポンサーの水泳大会で出場していた香奈に執拗にカメラを隠して向ける不審者が居たらしく、監視員をしている玲香のボディーガードが確保しようとした時、ナイフで切りつけ、逃げた。その際に落としたデジカメがこれらしく、中身を見れば香奈の写真は数える程だが、私の写真が数百とあったので、これは……とうちに駆け込んだらしい。

「……なるほどねぇ」

「なるほどねぇじゃない! 何呑気に……!」

「巻き込んでごめん。でも、もう大丈夫だ「謝ってほしいわけじゃないってのー!!!」いったぁ!?!?」

ガンッと頭を頂点から殴られた。
しかも香奈に。

「なんでそういうこと相談しないの!?!?
私らじゃ頼りない!? いや確かにあんたよかバカだけど!!!」

「馬鹿なのは香奈だけだけど」

「なんでそう言う茶々入れるの! 友里恵のあほ!」

「香奈は落ち着いて。ハイ深呼吸

……で? ストーカーあっててやべぇ! って思ったけどぉ? あたしらの写真もあったからァ〜ってことぉ?」


「……なにこれどういう状況?」

「しっ! 今口出すな。首飛ぶぞ」

「……ヒュンッてなった……」


「……あい……」

「ほぉ〜ん?」

にっこり笑う玲香に正座する私。

「あっやべこれダメなやつだ」

「香奈まじ黙ってて」

友里恵グッジョブ。

「あのねぇ〜あたしら友達でしょ? 迷惑かけてナンボでしょ? なんっでいっつもあんたはさぁ、そうやって自分で抱え込むの。
女子高生探偵? 中学生探偵? んなモンクソ食らえよ! あたしらにとってあんたはただの白樫美音なんだから!
だから、あの人らだって突撃してきたんでしょうよ!」

ビシッと指を指したのは萩原さんと松田さん、兄さん。

「はい……」

「じゃ、作戦会議って訳にもいかないわね。
刑事さん、これ、証拠になるでしょ?」

「お、おう……」

玲香がデジカメを兄さんに渡した。

「まぁ、これがあれば入手経路とか目撃証言とか集められるだろ……」

突撃! 近所の幼馴染

なんやかんやで解決しそう……

*

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