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大体私も事件ホイホイ



見られることにはこの世界に生まれた時から慣れている。
両親関係でも、警察関係でも。
羨望の目も怨念の目も、妬み、好意、悪意、様々な感情をした目に晒されてきた。

しかし、最近受ける視線はどこかそういうものからかけ離れている。
一言で言えば「気持ち悪い」。
ねっとりとまとわりつくようなものを感じ、背筋が薄ら寒い気すらする。

「……やっぱストーカーなのかなぁ……」

ぽつりと漏らした一言に松田さんと萩原さんが反応した。

「例の件か?」

「うん……なーんか、気持ち悪いんだよね……
視線を感じるっていうか……」

11年ほど前、ストーカー規制法の制定がなされたが、それでも多くの人間がストーカー被害に悩まされている。
ストーカー殺人だって全くなくなったわけではない。男女問わず、好意の抱かない人間からの好意、それが次第に恨み辛み、怨恨、妬みに変わるのは恐ろしいことだ。

「じゃあもう俺が護衛とか「萩原さんは爆処理でしょ。せめて警備課なってからがいいな〜SPとか」よ〜し転属届出すか」

そんな簡単に転属できりゃあんたら今頃捜査一課でしょうよ……

はぁ、とため息を漏らした。

以前の手紙からそれに関しては届いていない。
しかし、無言電話が頻繁とはいえないが少しばかり来るようになっていた。
勿論、不審に思われないように工藤邸にはかかってこない。
自宅と、それと私の携帯。
今では知らない番号は控えてから出る。不便といえば不便なので、出ざるを得ないが。

はーあ……こんなの面倒の極み。

「なんかあればちゃんと相談しろっつったろ
起こってからじゃおせぇんだぞ」

「ありがとう」

大体私も事件ホイホイ

信頼していない訳では無い。
ただ、相談できるほど、私が強くはない。

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