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それでは本題始めませう



「さて、じゃあこの話は終わりだ。
本題に行くぞ」

肩の力を抜いて姿勢を崩した彼は話を切り出した。

「本題……って突き落とされた件?」

「いんや。
それもまぁ、間接的には関係するけど本題はお前が例の組織にどこまで関わってるかってことだな」

「……あぁ、黒の組織ね……」

「だからこそ今回の件は組織関係じゃねぇかと思ってあん人達に言わなかったんだろ?」

「そう……そうね……
その可能性も見てた。まだ私は一切組織には関係してないけれどなにかの事件で関わってる可能性だってあったしね」

「巻き込むわけにはいかない……か?」

「元々あの人たち助けるだけでこっちに関係させる気はなかったんだけど計算外のことが起こってね……」

「その件は聞いた。
無茶しやがって……」

「ごめん……」

「ま、了解。こっちの件は普通に捜査するな。
俺は今のお前みたいに絶対的なパイプもないし、貸せる力も限られてる。
それこそ降谷先輩やら松田先輩萩原先輩達の分野だ」

「大丈夫。
流石にそれは期待してない」

「失礼だろうよそれは」

「間違っちゃないっしょ」

「あぁ!?」

今だけ、今だけは私は白樫美音ではなかった。
私がああなった後、兄とはこんな軽口は叩けなかった。

「ハハッ……あー……
お前そんなんだったっけ?」

「そうだよ。みんなが気ぃ使ってたんじゃん」

「それは否めないな……
で? お前はお前で今世を生きてる。
俺は止めはしないけど…」

「やりたいことはやるつもり。
前みたいに後悔したくないから」

「また後悔して死んでみろ。
次は許さねぇからな」

「あぁ〜怖い怖い」

それでは本題始めませう

二人で数年振りに笑いあった。

*

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