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事情聴取と動揺



「なるほどねぇ……
歩道橋から突き落とされて、そん時は無事だったけどしばらくして自宅特定……いや、この場合自宅じゃないのか……?」

「今住所は工藤家ですけど戸籍上はここなんで……」

「あぁ、なるほどな。
んじゃあ被害届とかどうする?まぁ犯人がわかってねぇけど実際殺人未遂だし……」

「とりあえず捜査はされっから犯人見つかり次第だな。被害届ってなると後々めんどくせぇから簡単には決められねぇだろ」

「ま、まぁ……そうだね……ねぇ萩原さん」

「なぁに?」

「下ろしてくんない? って言うか後ろから膝に載せんのやめない? 私もう高一だし困るんだけど?
右手の封印解けちゃうんだけど?」

「やだ」

「ガキかお前」

「まじ護衛つけた方が良くない?? SPつけなよSP」

「一般市民が付けれるかよ。馬鹿なの?」

「もう馬鹿でもいいよ!! ね!?」

「もううざい! だから今は気をつけてるってば!
これでも私強いんだけど!」

うげっ! 締め付けがきつい!

「萩原先輩ロリコンに見えるんでやめた方がいいっすよ」

「うっせぇ横川! だぁってろ!」

「なんで八つ当たりするんすか!
あーもーったく……まぁ、とりあえず上に報告して事件化するわ……っと……──美音さんな」

呼吸が止まった。

「あ?──って誰の苗字だよ。白樫だぞこいつの苗字」

「あー悪い悪い! 間違えました」

横川さんは一瞬目を見開いてこちらを見た。


事情聴取と動揺

やっぱり彼は、本来の私を知っている。

*

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