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なんだか大事になりそうな予感



「つまり、突き落とされて暫くしたらこれがポストに入ってたってことだな?」

「はい……」

耐えきれずに全部ゲロりました。
あ、勿論降谷零のくだりはばっさりカットで。
それ話すととてつもなく長くなってしまうので!
ギリギリ着地出来ましたーってことで納得してもらったよ。
身体能力高いのは松田さん知ってるしね。

「……っのバカ野郎!」

「っ!?」

スパンっ

大声に耳がキーンとなったと思えば頭に衝撃。
当然理性持った成人男性なので彼の力の半分も出てない程だけれど、間違いなく叩かれた。

「なんでお前はそこで大人に頼らないんだ!
自分一人でなんでも解決出来るわけじゃないだろうが! それに、今回狙われたのはお前自身だ!
わかってんのか!?
今お前は解決する側の探偵じゃなく被害者側なんだぞ!」

「……ごめんなさい。
素直に警察に相談するべきでした」

彼の言うことは間違いない。
犯罪の可能性があるのならば警察に届けるべき。

「おい、俺は警察だからこう言ってるんじゃねぇぞ」

「は……?」

「俺は俺個人としてお前に頼れって言ってんだ。
こんな事じゃなくても、例えば高いとこのもんが届かないから取ってくれってちっさい事でもいい。
怖い事があれば話せばいいし、辛いことでも手伝って欲しいことでもなんでもいい。
ただ大人として、人として頼れつってんだよ」

私の周りは、みんな私を頼った。
幼少期も、小学校でも、中学でも。
周りからは完璧だと言われ続け、流石は天才の娘だと持ち上げられることもしばしば。
勿論嬉しいこともあったがそれは私の逃げ道を絶つ魔法の言葉だった。
逃げたい程の苦痛も、しんどさも、全部ひっくるめて『美音ちゃんなら出来るよね』なんて。
私はただ、きっと私という人間を否定されたくなかっただけの自己保身に走っていたのだろう。

それ以前に私は前世の記憶がある中身は大人であり、純粋な子供ではない。
だからこそ、否定されれば私は白樫美音という人間も──美音という人間そのものが消えてしまう気がしたから。

「……ごめんなさい……
それと、ありがとう……っ」

拳握りしめて、涙を堪える。
爪が手のひらに食い込めば、松田さんは

「怪我するだろ」

と手を解いた。
私の手を包み込んだ彼の手は暖かく、どこか安心した。


「さて、んじゃま、生活安全課の後輩呼び出すからとりあえずその変なこと対策立てんぞ。
あ、仕方ねぇから萩も呼んでやっか」

あ、やばい。


なんだか大事になりそうな予感

親に連絡行くよりめんどいね?

*


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