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全くどちらが歳上なのか



非番だという松田さんがなぜだか家にいる。
まぁ恐らくはあの爆弾魔のことについて聞きに来ただけなのだろうが……

「あのさぁ、非番の度に来ても情報下りないよ。
何かあったら私から連絡するし」

休みの日くらいはゆっくりすればいい、と言外に伝えているのだが当の本人は

「別に情報のためだけに来てるわけじゃねぇよ」

と、話にならない。
情報のため以外ならなんなのか。

そういえばあの白封筒はあの日から届いてない。
流石に危機感を感じたために周囲を警戒して歩くが、常に気を張っているのは些か辛いところ。

警察にも私の方からは連絡しておらず、警部達からも連絡が無いということは降谷さんは警察庁に報告はしても、警視庁へは情報を下ろしていないのだろう。

そのほう動くにはありがたいのに変わりはないから別にいいのだけれど。

封筒自体はなにかの証拠になる可能性を加味して鍵付きのボックスに保管してある。
もちろん、一応袋に入れて。

「なんだこれ」

「え?」

松田さんはその鍵付きのボックスを持ち上げていた。
この人……人の持ち物漁るのは警察官の性なわけ?
ため息がこぼれ、視線をパソコンの画面へ戻した。

「何でもないよ。女子ならそういうの好きじゃん。中に入ってるのはただのガラクタ。
ちっさい頃に買ってもらったガラス玉のついた指輪とかネックレスとか……」

「はーん?
こんな手紙ちっさい頃に貰うんだな最近のやつは」

さて、説明しよう。
今松田さんの手には例の手紙と開け放たれたボックスがある。

「プライバシーの侵害!
あなたそれでも警察官なの!?」

「残念ながら警察官だ。
じゃ、事情聴取といこうや。
こんなもん隠してやがって……お前はもっと人に頼る努力をしろ」

ポンッと頭に手を置かれた。

全くどっちが歳上なのか


いや、この場合私の方が精神的には年上か……
間違ってなかった……?

*

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