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完璧なんて有り得ない



人間ならば、どこかに確実に欠点がある。
しかし、なにかに優れた人間というものは、傍目には欠点などないようにさえ見える。
そのお陰で一部の人間は弱音を吐くことさえ許されない。

時にそれによって壊れてしまう事もある。
私にとっての弱点は前世の家族。
そして、前世の私。

いつだってそう。
過去に縛られて一線を引いてしまう。

そんな私が逃げられるわけもなかった。
いつも完璧? どこが。
昔に比べれば生きやすくなったがボロが出ないかビクビクしながら生活していることに変わりない。

私のこの境遇を誰かに話したこともなければ、誰かと共感したこともない。

そもそも前世を覚えていて、この世界はマンガだったのだ! なんて口に出せば一気に変人だ。
今までの経歴も壊され、探偵ごっこをしすぎて頭がおかしくなったと言われてしまうだろう。

かかるとなれば精神科か。

なんて自嘲した。

完璧なんて有り得ない

かかったものはなんなのか。

*

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