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蓼食う虫も好き好き



キーパーソンである降谷零に出会ってしばらく。
特に私の周りには変化は訪れていない。

友人達に危害も無く、警察二人にも異変は無い。

そして私は少しずつ私が解決した事件のデータを一つ一つ見返していた。
このデータ自体は警察のものではなく私が個人的にまとめたもの。
基本的には犯人のパーソナルデータ、事件概要、動機、凶器、現場や日時、トリックなどが書かれており、ファイルは日にち昇順で羅列されている。
さすがに現場の写真などはないが簡単な配置図もある。

向こうから接触があったのはほんの一週間前。
それより遡る。
特に凶器が拳銃など簡単に手に入るものでは無いものを使用した事件を重点的に。

何か組織に繋がる事件があるのではないか、と思えど全くと言っていいほど特にヒットはない。

単純な私への恨みである可能性は否めないが、そうならば降谷零があの犯人へ関心を向ける理由がないとも思われる。とは言え偶然突き落とされたから助け、警察だから犯人を追おうとした、と言われれば納得する他ないのもまた事実だ。
そんなに危ない橋を渡るかどうかはさておき、彼は根っからの警察だから。
この日本を愛し、悪を根絶しようとする、警察だから。

カタリッとその時物音がした。
ポストの音に聞こえたが周囲に配達員の姿はない。
チラシ配りか?と少し気になったので外に出て中を見れば真っ白な封筒。

宛先もリターンアドレスも無い。
明らかに手で投函しに来たものだと分かった。

家へ入り封を開ければ中身は真っ白な便箋のど真ん中に一言。

「みつけた」

スっと寒くなった。

恐怖からか気持ち悪さか、はたまた、別の何かか。

蓼食う虫も好き好き

とんでもないものがかかったっぽい。

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