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眠気と従兄弟と警官と



それから定期的に二人はうちに来るようになっていた。
初めて来た時から2回ほど来たがその間に私は工藤邸へ移り住み、両親はパリへと飛んだ。

2人がパリへ行ったのと同時に軽く情報屋まがいの事を始め、拠点を自宅に置き、パソコンも買い足した。

萩原さんにも松田さんにもまだ工藤邸に移り住んだことは教えてないが、先日工藤邸にやって来たことから誰かから聞いたんだろう。

ゆきちゃんが

「きゃー! イケメンじゃなぁい!
みぃちゃんどっちが好きなのぉー!?」

って言ってたしほんと頼むから余計なことは言わないでほしい。
それから、なんか、二人からのスキンシップが増えたのが最近の悩み。

現在は3月。
学校では期末試験が近々始まるので軽く勉強もしているのでいつもより寝不足。

「美音ちゃ〜ん」

「ええい! 鬱陶しい!」

「で? 情報は集まったか?」

パソコンを開くも、情報は皆無。

「いんや? 犯人のことは全く。
情報なし。本格的に情報屋してる訳じゃないしねぇ〜……
期待してはないでしょ?
捜一も多分だけどほとんど捜査は打ち切ってるし……って、二人とも異動の件はどうなったのさ?」

「特に何もなーし! 嫌になるねぇ〜っと!」

「っちょっと!! 抱えるのやめてくんない!?」

萩原さんが後ろから私の体を持ち上げて足の間に下ろし、抱え込んでくる。

「サイズ感がよくってぇ〜」

「萩、代われ」

「却下」

「どっちも離れて!!」

「やーだ」

ああもう! タダでさえ眠いんだから体温上げさせないで!!

「みお姉〜」

「うわっ」

このタイミングで新一が来やがった。

「居ねぇのか? 上がるぞ?」

「居るわよ!!
ってちょっとホント離して!」

「えー……」

「えーじゃないよ!?」

「ここかって……誰?」

あー、会ったことないんだっけ?

「はぁ……新一、紹介するわ。
警視庁機動隊爆発物処理班の萩原研二さんと松田陣平さん。
こっちは私の従兄弟の工藤新一。小4」

「よろしくね〜」

「は、はぁ……って! じゃなくて!
母さんが呼んでんぞ」

「ゆきちゃんが?」

「あぁ。よけりゃあ二人も連れてこいって言ってたけど……
この人らの事か?」

「そうなんじゃない?
てかゆきちゃんはなんて?」

「なんかマスターがどうたらこうたらって」

「はぁー? 皇くん?
……なら待たせておいてもいいっしょ。
私寝るから一時間したら起こして〜ふあっあぁ……よろぴこ……」

ソファに寝転がりクッションに顔を埋めてうつ伏せになる。

意識は闇に沈んだ。

─────────────

「どうする?」

「ったく……みお姉自由すぎんだろ……」

「ま、一時間後まで待ちますか〜
寝不足みたいだったしねぇ」

初対面の人と放置されるなどと思いもしなかった新一は頭を抱える。

萩原はソファの淵に腰掛けて眠る#名前#の頭を撫でている。

「ていうか……二人はなんでみお姉と知り合いなの?」

「ちょっと事件で知り合ってね〜」

「事件?」

「この間あったろ?
マンションと車に爆弾が設置されたって事件」

「あぁ……あれか……
でも二人とも爆発物処理班なんだろ!?
爆弾解体できんのか!?」

「まぁ知ってるもんならなっていうか……」

ぐいっと松田は新一の頬を引っ張る

「あだだだだ!!!」

「お前年上には敬語使え!」

「ごへんなはい!!!」

「よーしいいだろう」

「陣平ちゃん……お前なぁ……」

「ううん……うっさい……」

もぞもぞと美音が動き丸まった。

「しー!……起きちゃうだろ?」

「おせぇよ……」

「それにしてもかーわいー……」

「ま、こうやってれば年相応だわなぁ……」

「……じゃあ、俺は帰るんでみお姉起こしたら連れてきてくれ……ださい」

呆れたようにため息をついて新一が階段を降り家を出て行った。

相も変わらず美音は眠っていた。


眠気と従兄弟と警官と

結局たっぷり2時間寝たことで皇くんには割とガチで怒られました。

なんで起こしてくんないの!?

*

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