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頭を抱える



「何言っても帰る気はなさそうですねぇ」

「当然」

「ドヤ顔辞めてもらっていいですか?」

「磯野ー野球しようぜー」

「あんたの顔面にホームラン!」

ブゥンッ

「っぶねぇ!!!」

「ちっ外したか」

「えっなんでまず金属バットで!?」

「木製は重くて振れないもの」

「そこなの??」

「まぁ自業自得だな」

「ですよねぇ」

「いやでも下手したら流血沙汰だよ!?」

「正当防衛」

「過剰防衛だよ!」

「と、まぁ冗談は置いておいて」

「置かないで!?」

萩原研二ってツッコミタイプなの?
肩にかけた軽い金属バットをポンポンと肩にバウンドさせてため息をつく。

「あんまりこいつで遊んでやんな。
調子のんぞ」

「遊んでたの!?」

「ウケる。
仕方ないなぁ……ほら上がってよ……
追い返す方がめんどくさい」

「さっすが」

応接間にとりあえず通し、

「紅茶とコーヒーどっちがいいですか?」

「コーヒーがいいな」

「俺も」

「おっけー」

流石に挽くほど本格的なコーヒーは出せないけれど父さんが置いてる割といいコーヒーを出す。
私はコーヒーも紅茶も飲まないけどね。
カフェインは苦手なの。コーラ最高じゃない?
お子様舌って? ほっとけ!

「どーぞ」

「ありがと」

「サンキュ」

座らせた2人掛けのソファに座るふたりに向かい合わせて1人掛けのソファに腰を下ろした。

「それで? お話ってなんですか?」

「うんうん。
単刀直入に言おうか」

萩原さんは1口コーヒーを飲み、口を開く。

「……君は、何を知っているんだい?」

まぁ、そうよねぇ

「私が知っているのは知っていることだけです」

「なら、それこそなんであの場に来たんだ。
病院で調べると言ったこと以上に、何から何まで知りすぎている」

「あら、捜一の目暮警部に聞いてません?
事前に事件のことは聞いた、と」

「それは聞いたよ。
その上で、あの場にどうして居たか、
どうして『タイマー』が遠隔操作されることを知っていたか。
君が残したパソコンと何かの機械、パソコンに記録されていたのはその俺が解体した爆弾から発してる周波数だった」

ふぅん?
随分調べたらしい。

「うーん……
ヒントとして置いてきたものだったんだけどな……
思ったより簡単に私を特定しちゃったし失敗だったなぁ……」

忘れてきたなんて言えねぇ!
内心冷汗ダラダラである。

「はぐらかすな」

「はぐらかしてないですよ
本当に、まだ言えないんです」

「……どういう事だ?」

「それはまだ言えないんですよ
お話が狂ってしまってはいけませんから」

「なに?」

苛立ったように松田さんは眉間にシワを寄せる。気づけば貧乏ゆすりもしている。

「どういうことだ」

うわぁお。ひっくい声!
女の子泣いちゃう!

「松田、」

「そういう事ですよ。
私から話すことは無いです。
それでおしまい。まだ食い下がるつもりであれば、申し訳ありませんが、令状を持っていらしてください。これはあくまで事情聴取にも任意にも当らない、私的な質問ですよね?」

喧嘩売ってんのかって?
売ってるよ。

「チッ……」

「そっか……
分かったよ」

はーーーー!!!
よかった!!!!
平和!!!! 平和的解決!!!!

「また来るね!」

!?!?!?!?

「はぁ!?」

「だってまだ言えないんでしょ?
なら言えるようになるまで通うだけだよね!」

パチンッとウインクをする萩原さ……萩原。

「それとこれとは話が別でしょ!?」

「いーや、別じゃないね〜
何かを知っていて、なにか危ないことをするつもりならそれから守るのも俺達お巡りさんのお仕事だからね」

「屁理屈!」

「じゃ、今話す?」

「っ……話さない!」

「でしょ?
じゃあ、来週また来るね〜!
あ、はいこれ」

と、手渡されたのは私の持つ携帯と同じ機種の携帯。

……いやこれ私の携帯だな!?

「ちょっまって!?!? 何してんの!?」

「爆処理の器用さナメんなよ
俺とコイツのアドレス登録しておいたから」

「器用さじゃなくて手癖の悪さだよね!?
スった!? もしかしてスった!?」

「さっきな」

「いけしゃあしゃあと……!」

携帯を開けば確かにアドレス帳に『萩原研二』と『松田陣平』の文字。

くっそ、せめてもうLINEが発達してれば……!
せめてLINEだったら許せたわ!
まだねぇけど!!!!!!

「じゃ、連絡するね! 美音ちゃん?」

「帰れ!!!!!」

玄関向かうふたりに手近なクッションを全力で投げるもキャッチされ松田さんには顔面に投げ返され、萩原さんは軽く投げ返された。

「ふぎっ……!?」

「おいおい陣平ちゃん……」

「じゃあな
次は無理矢理吐かすぞ」

「職権濫用!! 鬼畜警官!!」

「あぁ? 今じゃねぇだけありがたく思え!」

「ほらほら帰るぞ!
じゃーね!」

「おとといきやがれ!!!」


バタンッと閉まった扉に駆け寄りスグに鍵を掛けて、チェーンもかける。
あぁもう!せっかくひとりの時間が!
くっそイケメン腹立つ!!
……次は吐かせるって、吐かせるのが得意な人でも呼ばれたらまずいな……
完全にア○ロ・レイだろ。古○徹だろ。
つまるところ安室透で降谷零だろ。
いや流石にあの人忙しいから引っ張ってこねぇか!
やめよ! 変にこういうこと言うと予言みたいになる!!!!!!


頭を抱える

万一連れてきたら怖すぎるぞぉ↑↑↑

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