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前世と今世が絡みつく



新一に新作を買ってきてと頼まれ本屋に行き、マンガコーナーをプラプラとしていた時。

平積みされ、目に付いたマンガ。
作者名こそ違えど、見間違えることがない。

「……同じマンガ……」

私が前世で読んだマンガが並べられていた。
元々コナンを全巻(未完)読んでいたことからまぁバレているだろうが、私は所謂オタクというもので。腐も夢もカプも食す雑食型である。
あれ? 今の私の状況夢じゃない?
今世でもマンガは基本色々読むし、それ以外にも小説も読んでいる。
思わず並べられたマンガの一巻を手に取りレジに向かった。

前世の環境から本を読む時は椅子よりもベッドで読むことが楽だった。
ただ、ベッドにいる姿は他人には見せたくなくて、寝ている以外は基本的に椅子に座ったり床に座ったりをしている。

こんなことを気にしたり、やはり私は子供らしくない子供だったろうに。
両親も、叔母夫妻も私を愛してくれた。
異様な目で見ずに。
私を腫れ物を扱うように接するようになったあの人達とは違って。

あのひとたちは、私が消えて幸せになれたろうか?
アルバムに書かれていた、『元気でいてくれればそれだけでいい』という、願いさえ叶えられず。
私はただ普通になりたかっただけなのに。
生きることを諦めた。
この世界には、生きたくても命を奪われる人がいると言うのに。

だから、私はこの命を使ってでも、また、代わりになることを望んでしまう。
生きることをまた望まれているのに。


あぁ、私は何に縋ればいい?


前世と今世が絡みつく


助けたい命をきっと


*

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