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今後に生かせる貴重な経験



向かった先は父さんの仕事場。

つまり、映画の撮影現場。

「ちょっ、ここ、私ら入れていいわけ!?」

「大丈夫だ
有希子ちゃんなんかほら」

うわっ溶け込んでる!

「さすが元大女優…」

呆れればいいのか尊敬すればいいのか…

「見てご覧。
彼があの家の持ち主で友人、スタントマンのアレックス・ヒュースだ」

と指さされた先には、高くそびえる塔の上に立つ男。

「飛んだ!」

新一が目を見開いて凝視する。
塔の下には炎が高く燃え上がっておりそこに投下した体は数秒もしないうちに炎から脱出した。

「流石だな。
後で紹介しよう、と…」

不意に室内のようなセットに目がいった。
そこでも撮影がされていたが違和感がある。

「…父さん、あそこの配置、あのシーンの撮影じゃ邪魔になるものが多すぎない?」

「んん?あぁ、だがほかのシーンの都合上あの配置が1番問題が少ないんだよ」

「さっきのシーンも見たし、他のも録画データ私も見たよ。昨日。
あれで全部?」

「あぁ、場当たりの為のスタッフのリハ映像のことか。そうだな、あそこのは全部だ」

「ならさ、あのスタンドライトを右に動かしてベッドを45°くらい傾けて、そうだな…チェストを左に」

と頭で考えながらパズルのように家具を組み合わせる。あくまで、過ごしやすさではなく撮影を加味して。だが、あからさまに過ごしやすさを欠いてはいけない。

「Just move the set as you are right now.」

と父さんが近くのスタッフに告げ、私の言う通りに、だろう、英訳をする。

出来た部屋は私のイメージ通りに配置されている。

「いいな」

ぽつりと父さんが漏らした。

「あら!美音にはインテリアデザイナーの才能があるのかしら?」

「今から勉強してみるのも手かもしれないね…」

こういう配置を考えるのは昔から好きだったのだ。
それを褒められたのは素直に嬉しく、頬が緩む。

「さすが私たちの娘だ!!
将来パパの映画のインテリアデザイナーになるかい?」

あっだめだ!
ちょっと気持ち悪い父さん出てきてる!
仕事場だから抑えてるけど!
でも、

「やりたい」

そう思うのは、本音だ。

「よし、なら、その席は空けておこう
美音が着くまで永久欠番だ!」

「その子がつくまでって永久じゃないだろう…」

と私が思ったことと同じことが背後から声をかけられた。

「おお!アレックス!
今回も頼むぞ!」

「あぁ!またハルヒコと撮れるなんて最高さ」

「紹介するよ。妻は知ってるだろうが、娘の美音だ」

「白樫 美音です
…日本語で良かったですか?」

さっきから流暢に喋ってたから…

「大丈夫だよよろしくな!」

よし今だ!

「あの!質問いいですか?」

「ど、どうした?」

「し、死ぬかもしれないのに、どうして高いところから飛べるんですか!?」

スタントマンにずっと聞きたかったことをぶつける。

「…自分の技術を信じてるから、かな。
もちろん過信はしないが、自分の技術を自分が信じることが第一歩だよ
リトルレディ?
興味があるならやってみるかい?
大丈夫。俺がついてるしコツを教えるから」

と、まさかの申し出。

「ちょっアレックス!?何言ってんだ!?うちの美音をそんな危ない目に遭わせるわけ「やりたい!」美音ちゃーーん!?」

「よし!大丈夫だって!
10mあるかないかの壁でやるから!
じゃあ、道具とってくるからな」

マジ!?スタントなんてなかなかできないよな!?やっふぅぅ!!!

今後に生かせる貴重な経験

高いところから飛べるってその能力は魅力的!
この世界よくコナンがダイブしてたしな!!

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