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名言回収の布石



「ハワイだー!!」

「美音ー! はしゃぎすぎて有希子たちとはぐれないようにねー!」

「大丈夫だよー!!」

ほんとにハワイに家族旅行なんてするんだなこの一家!

「美音にも教えてやろう」

「なに?」

「運転!」

「……いや、父さん?私未成年だし無免なんだけど?」

何言ってんだこの人は。

「知っていて損は無いぞー!
それにこの辺は友人の私有地だから運転もできるしな」

あ、これあれだ。
コナン名物「ハワイで親父に教わった」だ。

「ほぉ、なら新一もやってみるか?」

「やりたい!」

「小1にはやらないでおこうよ優作くん!?」

「みお姉だけずるいぞ!」

「一人では流石に運転はさせないさ」

ハッハッハッと笑う優作くんだが不安しかないぞ!?

「まぁまぁ!
ここが座席を動かすレバーだ。
右足をアクセルかブレーキにかけ軽く足が曲がる程度に調節してみよう」

あれ? これやる流れですねぇ〜!
新一と優作パッパ降りたものねぇ!

「こう?」

いや、ガチで初体験だからビビるわ!
結局前世でも取ってないし!
取れなくなったし!

「そうそう。
で、ゆっくりブレーキを踏みながらキーを回そう」

ブロロッ

うわっ
掛かった! 当たり前だけど!

ゆっくりとブレーキが踏み込まれる力に比例して下がる。

てかなんで私左ハンドルで運転してんだ!?
日本じゃ右ハンドルだから右がいいなぁ!?

「サイドブレーキのこのボタンを押しながら下げて、あぁ、少しだけ持ち上げるとボタンが柔らかく押せるから、そうだ」

助手席に座る父さんは平気な顔してるけどあなた教習の教官だっけ!?

「それじゃあシフトレバーをPからDに入れてゆっくりアクセルを踏んでみようか」

ひぃい……

「じ、事故っても知んないよ!?」

「父さんがついてるから安心しなさい」

くっそ残念イケメンのくせに残念が今出てねぇからめっちゃただのイケメンじゃん!!
ふざけんな!! 頼もしいな!!
ゆっくりとアクセルを踏むと、車は緩やかに前に進んだ。

「そうそう!
流石は私の娘だな!」

何言ってんだ?????
教習一日目レベルだろこれ!!!!

「目線は前。
近すぎるとハンドル操作が覚束無いぞ。
もっと奥を見て、進行方向を向くんだ」

「うへぇ……
出来る自信が無いわ……」

ゲロゲロ〜!

「大丈夫だ
そのへん一周してみよう」

と言うもんだからグルグルとコースを回る。
すると慣れてきたのか少しずつスピードが出てきた。

「あ、意外と……」

「だろう?
こりゃあ皇が見たらびっくりするな!」

「いや皇くんじゃなくても大半のやつはびっくりすると思うけど!?」

──────なんてしてると1時間後

「春彦!
美音に何をさせてるの!?
この子まだ小学生よ!?」

「才能ありだな!!!」

「馬鹿なんじゃない!?」

母さんは常識人! ってラノベありそう。

「さて、次はこの家の友人の本業をみんなで見学に行こうか!」

「本業?」

名言回収の布石

おいおい!!

私がやりたいのは運転よりこっちじゃない!?

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