着々と揃うひみつ道具
「美音くん!」
工藤邸へ向かうとちょうど博士が出てきたところだった。
「どしたの博士」
「頼まれていた電波の解析と割り込みの装置が完成したぞ」
はっえ
「マジ!? 早いねありがとー!」
「とりあえず上がっとくれ」
「り!」
博士の家に上がり、リビングへ入ると数個の以前貰った相殺マシーンと同様なものが二つとは別に、ベルトも置かれていた。
「こっちは電波関連だと思うけどこのベルトは?」
「ふっふっふ……
よくぞ聞いてくれた……」
あ、めんどくさいスイッチ入った。
「聞いて驚くでないぞ!
これは伸縮ベルトじゃ!」
あー……伸縮サスペンダーの亜種ね……
「ほ、ほう……?」
「ベルトとして装着し、ここのボタンを押せば鉤爪が出てくる。それを引っ掛けこっちを押せば伸縮性の高いロープが出てくるんじゃ
そしてこのボタンを押せば収縮する。
命綱として使うもよし、ものを引き上げるのに使うもよしな万能アイテムじゃ!」
なんだこのひと、ド〇え〇んか!?
「誰が平成の青ダヌキじゃ!」
「タヌキは失礼だろドラ〇も〇に謝れよ」
「はぁ……
わしの発明のすごさをわかってるんだか分かってないんだか…」
「いじけないでよ……
まぁ、なにかに使えるかも知んないし、伸縮ベルトも貰っとくよ。
ありがと」
「……何をするつもりか知らんが無茶はするんじゃないぞ」
「へーきへーき。
死なないよ。うん」
保証もないのに嘘をつく。
これは昔からの私の癖だ。
人に心配をかけたくないから、傷つくのは私だけでいい。
なんて、エゴでしかないけれど。
この癖だけは今世でも直せそうにない。
────むしろ、私の死如きで何かを救えるのならばそれも良いだろう。
だって、私はこの世界から飛び出た歯車なのだから。
着々と揃うひみつ道具
新一より先に新商品使ってごめーんね!
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