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3度目の入学式



「新ちゃーん蘭ちゃーん!
こっち向いて!」

「撮りすぎだろ母さん……」

「蘭! 新一くん!」

「あ! あたしが撮ってあげるから
英理ちゃんと小五郎ちゃんも並びなさいよー!」

「そ、そう? そうね、ありがとう!」

「はーいチーズ!」

「じゃあゆきちゃんも優作さんと新一くんと!」

「……わたしそろそろ職員室向かいたいんですけど」

「やーん! まだ大丈夫でしょ?」

「……はぁ……」

「みぃちゃんも並んでー!」

「美音お姉ちゃんも撮ろー!」

くっそ! 蘭ちゃんかわいいな!!!

さて、なぜ新6年生の私が新入生の新一と蘭ちゃんと一緒に入学式にいるかというと、

……新多いな。

今年の入学式の在校生代表の挨拶に選ばれてしまい招集されたからです。

#全部よっせんのせいだ

事の起こりは二週間前────

「白樫! 頼みがあ「却下」せめて内容聞けや!」

「あれれ〜? ソレが人にものを頼む態度なのぉ〜?」

「くっ……白樫さん頼みがあります」

目を閉じ横を向きながら言うよっせん。

「よし聞こう」

「入学式の在校生代表の挨拶をしてください!」

「え? なんで? なんで私なの? ってか入学式二週間後だよな!?」

「今日中に代表者を提出しないといけないのを忘れてまして……」

「馬鹿なの!?」

なんなの!? この人馬鹿なの!? ほんとバカなんじゃない!?

「で、焦ってたところにお前が通ったから……」

「え? 適当すぎん??」

「いや! お前なら成績優秀、家柄も申し分無し! な!?」

何を言ってんだこいつ。

「いや、それこそ玲香じゃね?」

「城ヶ崎は人前じゃテンパるからって断りやがったし電話に出ねぇ」

「あいつパーティーでいっつも人前で挨拶してるぞ!!!
逃げやがったな!?!?」

「俺のクビのために!! 頼む!!!」

─────なんてことがあったからで、

『在校生代表
白樫 美音』

「はい」

なんで引き受けちゃうかなぁ、私。

「新入生の皆さん
ご入学、おめでとうございます。
初めての学校生活でわからないこと、こまったこともあるかと思いますが、そんな時は、上級生のお兄さん、お姉さんにお話してみてください。
みなさんと楽しく、元気にこの帝丹小学校で、過ごせるのを楽しみにしています。

在校生代表
新6年生、白樫 美音」

くっそー!!!
ドヤ顔で親指立ててんじゃねーーーよよっせん!!!!

───

「いやー助かった! サンキューな白樫!」

「死ね」

3度目の入学式

六人を待たずに帰ったら新一とゆきちゃんに怒られたんだけど関係なくねぇ!?

あ、言い忘れてた。
白樫 美音11歳です。

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