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どこで知ったの名探偵



件の事件からまた、数ヶ月。
ちなみに新一と表に出てはいけない彼なんか一度たりとも会っていない。

実家は知り合いに貸してるからあんまり一人だけで近寄るな、と言いつけてある。
たまにゆきちゃんは気を利かせて色々持ってってるらしいけど……

私話してないはずなのになんで知ってるんだろうね。
怖いから知らないフリするよ。

「聞いてる? 優作パッパ?」

「聞いているさ。どうして彼のことを知っているか、と聞きたいんだろう?」

「めちゃくちゃ聞きたいよどこで嗅ぎ付けたのさ?
あの人のこと知ってるなんてインターポールの友人にでも聞いた?」

「まさか。彼は担当外だよ」

「じゃあどうしてさ。
危険も危険。なんで知っ」

優作くんは私の言葉を遮るように、掌をこちらに向けストップのジェスチャーをする。

「危険は付き物。それは美音も同じだろう?
自分は関係ないとでも?」

にっこりと笑う優作くんは正しく「工藤優作」。
この笑みは、私が苦手とするものだ。何もかもを見透かされている気になる。
父と同類のそれは、これ以上の言葉を許さないものだ。

「逃げ道を潰して反論の余地を無くすの、子供にする?
超絶困るんだけど」

「おや、子供扱いされたいのかな?」

「是非して欲しいね、コドモ扱いってやつ。
この歳になると昔以上に大人みたいにみんな扱うからさ」

「いやはや、新一とは似ても似つかないね。
あいつは大人ぶっているから」

「そりゃ子供のうちは大人扱いされたいもんでしょ。
大人になると子供に戻りたいってか赤ちゃんに戻りたい」

「随分逆行したね」

ハハハ、と声を上げ笑う優作パッパにはやはり勝てないらしい。
ゆきちゃんが突然訪ねた上合鍵で入って驚かれた私の身にもなって欲しい。
一瞬警戒したらしいけど私の叔母であることはまぁ周知の事実だったし藤峰有希子だったから逆の意味で驚いたって連絡きたよね。
話を聞けば「ナイショ」とはぐらかされたらしい。

出処はきっと優作パッパだろうと話を聞けばこの有様。
うちの両親は放任だし詳細はこちらから話していないし、話していたとしても内密な話は勝手に他人に話すことは無いはずだ。

だからこそ

「どこで聞いたのほんと……」

「有希子も言ってたろう? 内緒だよ」

どこで聞いたの名探偵

こりゃ勝てないや。

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