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陣中見舞い



「おっつかれさまでーす」

にこにこと清々しいほどの笑顔を見せる美音。

「……何しに来た」

「何しに来たって……リハビリついでに顔出しに来たんだよ。
リハビリ施設近くだし」

ジトっとした目で彼女を睨めつけるのは入院から3ヶ月が経過した松田陣平である。

「まぁ松田さんは全治半年以上だもんね。
あと3ヶ月は入院してんじゃない?
あ、一応伝えとくね表彰おめでとう〜」

どうやら松田さんは一応表彰されるらしいが、全開、とはまでは行かずとも退院する程度には待ってから表彰式をするらしい。
それ世間から忘れられるだろ。

「別に表彰なんざいらねーよ」

「貰える時にゃ受け取っときなよ」

「『表彰』程度だ。
上は今回のは爆発を防げた事で諸々を握り潰してんだよ。
どうせなら昇進のが嬉しいもんだぜ」

昇進ねえ、まあそう簡単にはいかないよね。
試験受けなきゃだろうし、実際この後どうすんの? みたいな感じ警視庁内にあるらしいし。
爆処理としては松田・萩原は普通に回収したいらしい。でも実際強行犯係で手柄を上げたので処遇でバトってるとのこと。
引っ張りだこじゃんね。

「でも爆処理戻りたいんじゃないの〜?」

「……とは言ってもなぁ、爆発で誰かが死ぬのは阻止できたが犯人は捕まえてねぇだろ」

パラッと数枚の紙を横のキャスターから取り出し、手渡してきた。
内容は「連続爆破事件」と題された捜査本部とその概要。
恐らく復帰次第合流する事になる為頭に入れておけ、ということだろう。

「ふ〜ん……捜査本部? 受け持ちはそのまま強行犯係?」

「一応な。捕まえるまで俺はこのまま強行犯預かりが今のところ濃厚だ」

「へ〜まぁいいんじゃない? 爆処理そんなやたらめったらあるイメージ無いし……」

「……まぁなぁ……暇ってわけじゃねぇが」

「機動隊は柔道バカか貴方達みたいなタイプの二択だものね」

「柔道バカは最早悪口なんだよやめとけや」

「まぁ悪口のつもりで言ってるからね」

「ほんと怒られるぞお前」

「やっだ! 機動隊の柔道バカ私には知り合い居ないから平気よ! 安心して!」

「安心できねぇ〜! いつか知り合った時に言いそうなやつと安心できねぇ〜!」

「うるさい! 白樫さんは退院してもうるさいですよ!
あと松田さんも! 何回言わせるのここ病院ですよ!」

「「……さーせん」」

陣中見舞い

完治まで何回かいじりに来るよん。

*

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